イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2019年09月02日

2019.6.9『第99回DKCin別府』

【日時】2019年6月9日(日)13:00~16:00
【場所】大分・別府市民体育館「べっぷアリーナ」
【参加人数】251名

高田道場が主催する第99回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、7年連続7回目の開催です。毎年、市をあげてイベントを盛り上げてくださる別府大会。毎年ここに来ると「今年も帰ってきたな!」とスタッフ一同、強く感じるそんなDKCにとって故郷のような街になっています。

今年度からDKCは小学校の高学年と低学年が一同に参加してイベントが開催されることになりました。以前は低学年(1~2年生)と高学年(3~6年生)の時間を分けて、指導内容も体力や理解度を考慮して内容を変えていましたが、全学年が合同参加となります。今回も幼稚園・保育園から上がってきたばかりの1年生から、来年には中学校に入る6年生まで、それぞれの年代がまんべんなく参加して合計251名、マット4面を使用しての開催となりました。

今回も地元の関係各位から多大なサポートをいただきました。とくにマット設営からキッズへの指導まできめ細かなサポートをしていただいたのは、日本文理大学付属高校レスリング部の皆さんです。別府でのDKC開催時には毎回サポートをいただいておりますが、今回の指導には県大会優勝という輝かしい戦績を誇る選手が、顔にマジックで落書きをしたファンシーな姿で参加してくださいました。キッズたちを楽しませようという優しい気持ちで大いに盛り上げてくださいましたことをこの場を借りて御礼申し上げます。

「今日は思いっきり頑張って、自分に自信を持ってもらう練習です。思いっきりの力を出してみましょう」と向井先生が呼びかけます。参加してくれたキッズの大半はレスリングをやるのが初めてという初心者ばかりですが、「上手じゃなくてもいいから、自信を持ち帰ってくださいね」と呼びかけました。

高田延彦先生からは「せっかく休みの日に来たんだから、楽しかったな! また来たいな! という時間にしよう。それには主役であるキミたちがしっかり集中することです」と熱く語りかけます。

そして、今回も別府市のご当地ゆるキャラ「べっぴょん」がオープニングから駆けつけてくれました。向井先生考案のウォーミングアップ「おそうじ体操」にも一緒に参加して、音楽にあわせたリズミカルな体操を披露してくれました。

マット運動はダッシュ、ぞうきんがけ、クマ歩きです。広い体育館に敷かれたマットをキッズたちが裸足で駆け回ります。大きな声で返事をしてからスタートします。しかし、まだまだ本気を出せている子が少ないと察知した高田先生は「別府の子は足が遅いのかな? どうなんだろう?」と首をかしげるポーズ。「そんなことないよな!?」という別の先生の呼びかけに闘志を燃やす別府のキッズたち。ここから俄然、闘志に火がついてスピードが早くなりました。

ここで一旦、高田道場からスポーツドリンクをプレゼントする水分補給の休憩を挟みます。DKCは3時間かかるイベントなので、合間にはこまめな水分補給と休息を取って、ケガの予防や疲労回復に努めています。

続いてはスクワット、サイドステップ、ジャンプなど、レスリングに必要な動きを練習する時間です。先生が見せるお手本を真似しながら、息が切れるまで運動をします。学校の体育の授業よりも強度の強い練習ですが、キッズたちが楽しそうに取り組んでいる姿が印象的です。初めてやる運動ですが、あっという間に吸収してしまいます。トレーニングを見守るスタッフも多く、気分が乗らない子がいれば声をかけたり、楽しみながら取り組めるように同じ目線で指導するので、事故などは起きません。

ここからは二人一組の運動になるので「よろしくお願いします」「ありがとうございました」の挨拶と握手はしっかりできるように指導を徹底しています。さらに運動の直後には「ヤッター! イェーイ!」と笑顔でハイタッチもします。

この行為の狙いについて、向井先生は「一生懸命運動したあとに自分を褒めてあげることです。恥ずかしがらずにハイタッチしてください。恥ずかしがったら意味がないですからね」と説明します。イメージとしては、ゴールを決めた直後に喜びを分かち合うサッカー選手です。自分のパフォーマンスを他者と分かち合うことで得られるほんの少しの自信が、キッズたちの大きな成長をうながしてくれるからです。

ここからは大人との練習になります。タオルを使った綱引きではキッズたちが大人の先生に次々と挑戦していきます。高田先生もキッズたちの挑戦に胸を貸して、「もっと引っ張れ!」「そうだ! いいぞ!」と声をかけながら対戦していました。低く腰を落として強く引くという勝ち方を教わることで、大人もタジタジの凄いパワーを発揮します。「大人に勝てた人?」と向井先生が聞くとキッズは全員挙手しました。

レスリングに必要な体力トレーニングを終え、ここからは本格的なレスリングの練習になります。正しい構えはどんなに押されてもびくともしません。高田先生をはじめとするスタッフが、習ったばかりの構えを決めたキッズたちを押しながら、強さとバランスを確かめます。

「強いね!」と高田先生の笑顔が飛び出したところで、相手の腰をめがけて突っ込むタックルを教わります。

「タックルはふざけてやったりしてはダメです。大人もケガをするし、みんなもケガをしてしまいます。その約束が守れないとタックルは教えられません」

向井先生の真剣な話にキッズたちも耳をしっかり傾けます。アメリカンフットボール部でのタックルが話題になったからこそ、正しいタックルの方法を教えるのが大人の責任です。キッズたちには「子供同士ではタックルをやらない」「受け身を取れる大人と練習すること」「弱い者いじめには使わない」「大人に『お願いします』と言ってからタックルすること」をしっかりと指導しました。

練習が始まるとキッズたちは真剣に大人にタックルを仕掛けていきます。その様子を見ていた高田先生も「しっかりした形になってるね」と太鼓判を押しました。

そして、最後は大人の先生とレスリングの試合で対戦します。タックルで倒して、両肩をマットに1秒間つけたら勝ちとなるルールです。先生を倒すまで思いっきりの力を出しましょう! ということで目を輝かせたキッズたちは勝利を目指して先生に立ち向かいます。

「さっきのタックルの練習の10倍くらいは力を出さないと、試合には勝てないからね!」

高田先生のエールで試合開始です。4面マットで一斉に試合が始まる様子はじつに壮観です。先生たちもただタックルを受けるのではなく、動いたりしてタックルを切ったりします。それでも食らいついて勝利を目指すキッズたちの真剣な表情! これこそがDKCのいちばんの醍醐味です。試合時間が終わり、キッズたちに聞くと全員が先生に勝てたようでした。

その充実した表情を記念撮影に収め(会場で配布されたアンケートを送付すると、後日プリントされた写真が返送されます)、整理体操を終えると最後のお話の時間。ここでも集中力を切らさずにお話を聞く姿勢を崩さない別府のキッズたち。さすがです。

向井先生からのお話で「気がすすまないけど来たと言っていた子もいましたけど、やりたくなっちゃったのかな? みんなの乗り方が全然違いましたね」と笑顔で振り返り、「自信が増えたという子がたくさんで嬉しいです。今日は自分のことを大好きになって帰ってくださいね」と語りかけました。

高田先生は大会全体を振り返り「お友達と遊びで体を動かしたり、汗をかいて運動したりするきっかけになる3時間になれば良かったと思います」と総括。さらに「本当は全員に声を聞きたいんだけど」と前置きをして、高田先生がキッズ3人から「今日のこの場でどうしても言っておきたいことがあれば、みんなに発表してください」と感想を聞きました。

「レスリングで試合をする時に全員に勝てたから嬉しかったです」
「レスリングで勝てて嬉しい」
「高田先生と試合をして楽しかったです」

手を挙げて自分の思いをマイクで発表するという行為は決してハードルは低くないと思うのですが、照れずにしっかりと高田先生の目を見ながら話すキッズたちの姿がたくましく見えます。

「みんな返事も声も大きくて、タックルを教えたらすぐにできるようになって、びっくりしました。また来年も是非来てください。今日はありがとうございました」

日本文理大学付属高校レスリング部の先生からも、キッズの成長を称える言葉が飛び出しました。スタッフ一同、この言葉には深くうなづいていました。

最後は全員で一礼して、大会は終了です。

今年も素晴らしい大会となったDKC in 別府。きっとまた来年も別府でDKCが開催されることをスタッフ一同、心より願っています。