イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2019年01月24日

『第95回DKCin神戸』

【日時】2018年11月4日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】兵庫・デュオこうべ
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》78人
《小学校1年生~2年生のクラス》80人

高田道場が主催する第95回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、JR神戸駅地下のショッピング街デュオこうべで開催されました。9年連続9回目の開催はDKCを開催している各地の中でも最多です。一般の方が多く通る中、地下通路にマットを敷いてレスリング教室が開催されるのは神戸だけです。年1回、いつも熱烈な歓迎と万全な準備で迎えてくださる地元の関係各位には、あらためてこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。

また、今年もマット設営からキッズたちの指導まで多岐にわたるサポートをしていただいたのは、猪名川高校、伊丹高校、六甲アイランド高校、須磨翔風高校、神戸高塚高校の各レスリング部の監督、コーチ、生徒の皆さんでした。イベント先日からマットを運び込み、当日はキッズたちへの指導と撤収作業までサポートしていただきました。とくにキッズの目線に合わせた指導は、多くの参加したキッズたちにレスリングのおもしろさを気づかせるきっかけとなり大好評でした。

この日はキッズたちのモチベーションも高く、最初の挨拶からバッチリと大声が出ていました。これにはいつも採点が厳しい髙田延彦先生も「100点満点! ベリーグッド!」と親指を立てて絶賛です。

「ここでやるDKCは9年連続9回目です。9歳の子が生まれた時からずーっとやってます。DKC自体は13年間やっています。小学校6年生の子よりも長くやっています。先生たちが着ているTシャツには会社の名前が書いてあります。こういう会社の人たちが子どもたちのためにお金を出してくださっています。レスリングを指導してくれる学生さんたちがいなければDKCは絶対にできません。指導する先生方、地元の有志の方々がいて、9年連続9回も続いています。一番大事なことは、君たちがまた来たいと思う時間を過ごすこと。主役の君たちがこの時間を一生懸命楽しみましょう」

高田先生から熱いメッセージがキッズたちに送られます。

2018年は良くも悪くも「タックル」という単語が注目を浴びた1年でもありましたが、向井亜紀先生からは「本気で人にぶつかったことがある人はいますか?(約1割が挙手)意地悪な気持ちで本気でぶつかるのは悲しいことです。今日はみんなの本気を出せるように、黄色いTシャツを着た大人の先生だけにぶつかってください」と熱いメッセージが届けられました。

食い入るように先生のお話を聞き、じーっと見つめる真剣な眼差しは高いモチベーションのあらわれ。

まずは向井先生考案の音楽に合わせて踊る「おそうじ体操」からスタートします。「♪カーテン開けて、窓開けて~」と軽快な歌に乗せてお掃除の動作で全身がくまなくウォーミングアップできるDKCではおなじみの体操です。

続く、ダッシュでは早くも神戸っ子たちのやる気の高さを思い知らされます。大きな声で返事をして、全力疾走でマットを駆け抜ける力強さは他のどの県のキッズたちにも負けないたくましいものでした。雑巾がけでも滑って踏ん張りが効かない足場をもろともせずに駆け抜けていきます。

中野先生が見せたお手本の動作に忠実に再現するのも上手な神戸のキッズたち。カエル飛びジャンプでも、高く、遠くへ飛んで高田先生を「そうそう。みんなうまいなぁ!」と唸らせます。

ここまでの運動でかなり体力を消耗しているので、水分補給の休憩を挟みます。最新のスポーツ医学では、のどが渇いた時ではなく、渇く前に水分補給をするのが良いとされていることから、DKCではキッズたちにスポーツドリンクを配布し定期的な水分補給の休憩時間を設けています。ドリンクを受け取って、大きな声で「ありがとうございます!」という元気な声がデュオこうべに響き渡ります。

ここからは二人一組の運動です。つま先と頭上に掲げた手を交互にタッチする屈伸運動、足でじゃんけんして負けた方が様々なステップで相手の周りを回る運動、交互にジャンプを繰り返す運動など、とにかく全身の筋肉をくまなく動かすものばかり。インターバル中に、「疲れたー」と倒れ込むキッズもいますが、そこは子供ならではの回復力で再開時には元気になっています。運動後には「ヤッター!」「イェーイ!」とハイタッチをかわして、お互いを称え合うことでモチベーションを高めていきます。これで疲労感も少しは軽減されるので、さらに運動への集中力が研ぎ澄まされていきます。

そして、大人の先生との綱引き対決に突入します。これはレスリングに必要な「引く力」を養うためには大切な運動です。高田先生もキッズたちの挑戦に胸を貸して汗を流します。「もっと強く!」「低く引いて!」とアドバイスが子どもたちをさらに本気にさせます。その他の大人の先生も大勢のキッズたちと白熱の好勝負を何度も繰り広げ、この運動が終わる頃には疲労困憊となっていました。大人も子供も全力投球なDKCらしい笑顔があふれるトレーニングです。

休憩を挟んで、ここからはレスリングの指導が始まります。

まず教えられるのは正しい構え方。正しい構えはどんなスポーツにもあるという高田先生のお話に始まり、レスリング経験者の中野先生と松本先生が正しくないか前を実演して見せてくれます。正しい構えのときは向井先生が押すと跳ね返されるほどの強靭な構えも、足の幅を間違えると指一本で倒せるくらいもろくなってしまいます。「強い先生でも正しくない構えだと力が出ないものです」と高田先生は説明します。

キッズたちは初めてのレスリングの構えに挑戦すると先生たちが横から押してバランスをチェック。構えが決まると初心者でもそれなりに格好よく見えてしまうから不思議ですね。きっとキッズたちの本気が構えから溢れているのでしょう。

その次にはタックルの方法を教わります。

1.ほっぺたを相手の腰につける
2.相手のヒザ裏をハグ
3.胸で体当たり
4.そのままダッシュして押し込む

そんな動きを繰り返し練習します。いろんな先生と練習をしたくて、一人が終わったら次の先生のところまでダッシュでやってくるキッズたち。全体的にモチベーションが高く、教える先生たちも嬉しい悲鳴を上げています。

そして最後は、レスリングのルール(両肩が一秒マットについたらフォール)でキッズたちが先生に試合で挑みます。高田先生は「タックルの練習はいい感じだったけど、試合だといまの3倍のパワーで押さないと先生は倒れません! 今日やってきた練習を思い出して、低くタックルに入るように」と檄を飛ばしました。

試合開始の笛がなると、キッズたちは勇猛果敢に先生たちへタックルを仕掛け、両肩をつけてフォールを奪いに行きます。とにかく試合がしたくて仕方がないというモチベーションの高さで、試合を終えると次の獲物を探すハンターのような目で別の先生を探し始めるほど。先生たちも普段は試合をしないスタッフまでも駆り出されてしまうほど、キッズたちの熱量は凄まじいものでした。キラリと光る才能の持ち主が何人もいました。

20試合以上やった子もいるほど、熱気に包まれた試合の時間は無事に終了。「大人はみんな体力が残っていないけど、まだ体力残ってるよという子はいるかな?」と向井先生から聞かれると、キッズたちは全員で挙手! 飛び切りの笑顔が記念撮影に収まりました。

最後は観客も巻き込んで全員でスクワット50回をやり遂げて、見事にすべての運動が終了。最後は整理体操でクールダウンをします。

高田先生は神戸のキッズたちにすっかり驚いたようで「約束を守ってくれる子たちばかりで先生たちにとっては最高の3時間になりました」と締めの挨拶で語ったほど。最後にはキッズたちから「アンコール」が起きるほど、終わってほしくなさそうな気持ちがひしひしと伝わってきます。まるで恋人同士のデートのじかんみたいな、相思相愛の時間でした。