イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2017年12月21日

2017年の締めくくり!!『第88回DKCin鹿児島』

【日時】2017年11月26日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】鹿児島・樟南高等学校体育館
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》158人
《小学校1年生~2年生のクラス》162人


高田道場が主催する第88回のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、鹿児島でじつに7回目の開催。会場となったのは、11名ものオリンピック代表選手をはじめとした名選手、名コーチを数多く輩出した名門校である樟南高校です。今回も会場設営と撤収、キッズの指導に、創部50周年を迎えた同校のレスリング部員、コーチ、OBの皆様に全面的にご協力いただきました。当日も寒い中、朝早くから準備をしていただいたおかげで、キッズたちを笑顔で迎えることができました。さらに地元の関係各位ならびにスポンサー各社に多大なるご協力をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

今回のDKCは、午前中が小学校3~6年生のクラス、午後が小学校1~2年生のクラスという二部制。もともとレスリング熱が高い鹿児島で7回目の開催ということで、どちらの回も募集開始2~3日で締め切らなくてはいけないほどの申し込みをいただき、コーチ陣、関係者一同、嬉しい悲鳴をあげるとともに、より一層の気合が入るイベントとなりました。

参加したキッズたちも、上級生になるとDKC参加が2~3回目というリピーターが半数を占めるようになり、DKCが鹿児島の地にしっかりと根付きつつあることを実感しました。とはいえ、参加者の中で普段からレスリング教室に通っている子供はごくわずか。ほとんどの子供はレスリング初心者ということで、みんな期待と不安がないまぜになった、ドキドキ、わくわくした気持ちでいたことでしょう。

そんなキッズたちに向けて、向井亜紀先生は「みんなレスリングは初心者なのだから、上手にやらなくていいです。学校の授業ではないので、真面目にやらなくてもいい。ただ、本気でやってください。本気でやることで、自分の中にある可能性を引っ張り出します。みんなが本気でやった時、どれくらいの力が出るのか、とても楽しみです」と、メッセージを送り、キッズたちのやる気に火をつけていきます。

続いて髙田延彦先生からは「大きな声で『お願いします!』『ありがとうございました!』の挨拶をすること。下手でもいいから、100パーセント全力でやること。この二つを約束してください。そしてみんなには、最後に先生たちとレスリングの真剣勝負の試合をしてもらいます。
一生懸命やれば、かならず勝てるようになります。そしてDKCが終わったとき、『あっという間だったな、また来たいな』と、みんなが思える時間にしましょう」という、熱い檄を交えた言葉が送られました。はたして、子供達は本当に大人の先生たちに勝てるようになるのでしょうか。3時間後の成長に注目です。

鹿児島県レスリング協会の森山副理事からは、「ダイヤモンド・キッズ・カレッジでは、子供たちの汗と瞳がダイヤモンドのように輝きます。子供たちのそんな輝きを見てあげてください」と、父兄の皆さんへも言葉が送られ、いよいよDKCスタートです。

この日はあいにくの雨模様で、体育館の中は真冬を思わせる寒さ。こんな日は、ケガをしないためにも、準備運動がとくに大事になります。まずは、寒さを吹き飛ばすために向井亜紀先生が考案した「おそうじ体操」で、ダンスをしながらの準備運動。ここからワニ歩き、カエル跳び、5回ジャンプダッシュ、2人ペアになってのジャンケン罰ゲーム運動という、ユニークながら見た目以上にハードな運動が続きます。これら、大人ならすぐに息が上がってしまいそうな有酸素運動も、子供たちは笑顔でこなしていくからさすがです。

そしてDKC名物として忘れてはいけないのが、運動の後にお互いをたたえ合うように「ヤッター!(と拳を突き上げて)イェーイ!(とハイタッチ)」と喜びを分かち合う動作です。これは頑張った自分を褒めて、その気持ちを友達と共有する、とても大事なこととして、DKCでは必ず行っています。しかし、もともとシャイな県民性でもある鹿児島の子どもたち、最初はなかなかテレてしまい、元気よく「ヤッター! イェーイ!」はできません。

ここでお手本を見せるために登場したのが、髙田延彦先生と樟南高校レスリング部の西くん。このどことなく鹿児島出身の偉人、西郷隆盛さんに似ている、まるで親子のような二人の先生は、ありったけの元気の良さで「ヤッター! イェーイ!」を披露し、最後はガッチリとハグ。会場は笑いに包まれ、身体だけでなく心もほぐれて、子どもたちの本気の力を出す準備は整いました。

そして、タオル綱引きなどで、力の出し方を覚えた子供たちは、次にレスリングの練習に取り組みます。高田道場の中野先生がお手本を見せ、まずは基本の構えから指導。ここに髙田延彦先生が解説を加えながら、レスリングで相手を倒すためのタックルを教わります。タックルのポイントは、まずしっかり相手の腰に頬を当てるようにして入り、お尻の下をしっかりとハグでクラッチして、体当たりすること。「ほっぺた」「ハグ」「体当たり」この3つをしっかり守ることで、レスリング未経験の子供たちが、相手役の先生を倒せるようになっていきます。

そしてタックルの基礎を学んだあとは、いよいよお待ちかね、子どもたちと先生による試合の時間がやってきました。髙田延彦先生からは「いま教わった、『ほっぺた』『ハグ』『体当たり』を忘れずに、全力で先生たちにぶつかってください。全力を出さなきゃ、先生たちを倒すことは到底できないよ」と、檄が飛びます。これを受けて、子供たちも真剣に大人に向かっていきます。タックルで倒したあとも、さらに押さえ込んで、両肩をマットに1秒間つけたらフォール勝ち。キッズは皆、必死になって、先生方を倒しにいきました。髙田先生も、横綱がぶつかり稽古をつけるように、多くの子供たちのタックルを正面から受けます。

こうして全力を出し切って、試合の時間は終了。髙田先生が「みんな、自分が納得できる試合ができた? 全力でできた子は手を挙げて」と言うと、なんと全員から手が上がりました。これには髙田先生もニッコリ。「勝っても負けても、全力ができたのが何よりだね」と、満足そうです。

向井亜紀先生からも「3時間前のみんなとは比べものにならないくらい強くなったね。みんなは、すごいことをやり遂げました。今日は、自信を増やしてもらうことが目標だったので、目標達成です。これからみんなは、いろんなスポーツでもがんばれると思います。もし辛い時は、『やったー!イェーイ!』と声を出してみてください。そして、今日がんばったことを思い出してください」と、やさしい言葉が送られました。

そして、子供たちに「何か感想を言いたい人いる?」と問いかけると、多くのキッズから手が上がり、「今日楽しかったです。8回目も来たいです」「お兄さん、お姉さんがやさしく教えてくれて、嬉しかったです」と、充実した表情とともに、次々と感想が飛び出しました。中には「髙田先生に勝ちたかったけど、勝てなかったので、次こそ勝ちたいです」と、リベンジを誓う子供も。これには髙田先生も「よし、約束だ。次もまたやろう。負けないぞ」と、ガッチリ握手。今日が楽しく充実していただけでなく、未来につながるDKCとなりました。

そして、最後は髙田先生から子供たちへのメッセージ。

「ぼくたちが、なぜDKCをやっているかと言うと、みんなに伝えたいことがあるからです。君たちの年代にとって大事なことは、勉強もそうだけれど、いちばんは毎日外に出て、仲間とたくさん身体を動かして遊ぶことなんです。そうするとお腹が空く、ご飯がいっぱい食べられて、ぐっすり最高の睡眠がとれる。この繰り返しが、お兄ちゃん、お姉ちゃんになったとき、苦しいことに打ち勝って、前に進める元になるんです。そういう時間をもっと作ってもらいたいから、DKCの中で身体を動かす気持ち良さ、達成感をみんなに味わってもらいたかった。これからも、いろんなスポーツや遊びに取り組んで、元気な心と身体を作ってください」

この言葉を最後までしっかり聞いて、「はい!」と元気よく返事をする子供たち。髙田先生も「鹿児島の子供たちは、大人の話をしっかり聞く集中力がすごい。身体を動かすことも、お話を聞くこともDKC。それがしっかりできていた」と、感心しきりでした。

こうして大盛況のうちに終わった2017年最後のDKC。新たに迎える2018年のDKCは1月28日に埼玉でスタートします。