イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2017年11月04日

雨も寒さも吹き飛ばせ!今年で6回目!『第86回DKC in 宮古』

【日時】2017年10月22日(日)
≪午前の部≫9:00~11:30
≪午後の部≫13:30~16:00
【場所】グリーンピア三陸みやこ多目的アリーナ
≪小学校3年生~6年生のクラス≫80人
≪満5歳児~小学校2年生のクラス≫105人

高田道場が主催する第86回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)、今回は宮古市で開催されました!宮古市では6年連続6回目の開催となります。

今回会場となった宮古市田老地区にあるグリーンピア三陸みやこ多目的アリーナはスポーツ大会など市民の皆さんの憩いの場として使われている施設ですが、震災当初は避難所として使用されていました。ここでは多くの方々が身を寄せ合い、生活を共にしていました。現在もグリーンピア三陸みやこには多くの仮設住宅がありますが、お住まいになっている方々もわずかとなり、新たに建設された災害公営住宅や高台住宅地などに住まいを移されています。

DKC開催の当日10月22日は雨降りで少し肌寒かったけれど、宮古市の小学校に通う元気なキッズがたくさん集まりました!

午前の部に先立って行われたセレモニーでは、応援に駆けつけてくださった宮古市の山本正徳市長が「このような機会をとらえて体力づくり、運動の楽しさを学んでもらえたらと思っています。怪我のないように、一日終わったときに、今日は来てよかったなと思えるひとときにしてください」と挨拶。その後、高田先生から山本市長に東日本大震災教育支援基金として総額85万1234円が授与されました。この支援基金を通して東京の高田道場の子どもたちと宮古市の子どもたちとのつながりが一層深まることを期待します。
また、宮古市民の皆様、イベントスポンサー様をはじめ、ボランティアスタッフなど多くの方々に支えられて今回も宮古市でDKC開催が実現しました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

さあ、いよいよDKCがスタートです!キッズの指導にあたるのは、DKC主宰者であり、高田道場の代表の高田延彦先生、メインMCを務める向井亜紀先生、高田道場キッズレスリングのコーチ佐藤亮太先生、地元宮古商業高校出身のあやか先生たち。「救護班」には宮古市の塚田先生と、東京の髙田道場の2件隣の和光医院の内科医、林先生。さらに昨年に続いて宮古商業高校レスリング部、盛岡工業高校レスリング部のみなさんがマット敷きなどの会場設営と撤収、キッズの指導者として今年も参加してくれました。

まずはトレーニング前に向井先生と高田先生からお話です。
向井先生
「体育が得意な人も、得意じゃないなと思い込んでいる人も、今日は自分がどこまで伸びるかを確かめてください。せっかく会えて、せっかく一緒に運動ができるので、みんなの名前をいっぱい呼んで、みんなとの心をぴったりくっつけて、それから体をくっつけます、みんなの心を優しくして体を強くする。どんどんみんなを伸ばします!あと二時間半あとの自分の未来の状態を楽しみに、今日の練習をしてください」
高田先生
「君たちが主役です。ダイヤモンドキッズカレッジでは運動が得意な子も苦手な子も関係ない、みんな楽しく参加しあう、いい時間を過ごすようにプログラムしてあるから、心配しないで、おもいっきり打ち込んでください!
ふたつ約束があります。一つ目、これから挨拶をするシーンがたくさあります。挨拶を最後まできちんとできるようにしてください!そして、二つ目、ジャンプしたり、走ったり、先生にぶつかったり、いろいろやるけれど、へたくそでもいいから、うまくできなくてもいいから、全力でやってください!今日は最高だったと最後に言えるような一日にしよう!」

緊張気味にトレーニング前の心構えとお約束を聞いたキッズたち。続いて、みんなの心と身体をあったかくする向井先生考案の「お掃除体操」がスタートです。流れ始めた音楽にあわせて「カーテン開けて、窓開けてー!」向井先生の明るい声が響きます。リズミカルに床を拭いたり、壁を拭いたり・・・お掃除の動きとダンスの動きをミックスさせたお掃除体操で「アハハハ!」と笑い声もあがって、身体だけでなく心もぽっかぽかです。

お掃除体操で身体と心があったかくなったら、次は往復ダッシュ運動。「次の人!」と呼ばれたら「はいっ!」と元気な声で返事をし、全力ダッシュで駆け抜けます!続いてぞうきんがけ。「ぞうきんがけは運動機能を強くするトレーニングなんだよ」と高田先生。キッズがスイスイと進む様子に、「みんなすごく速いな!」と向井先生も高田先生もびっくり!「どんなにぞうきんがけが大変なのか、大人のみんなにやってもらおう!」と会場の大人たちがチャレンジ。大人たちは悪戦苦闘。全然進まずヘロヘロになる様子に、会場の皆さんも大笑い。キッズはこの後、クマ歩きにも挑戦。クマみたいに両腕両足四足になって勢い良く駆け抜けていきます!さらにカエルジャンプで高く遠く、ジャンプでマットの端から端まで進んでいきます。「ピョーン、ピョーン」軽々やってのけるキッズ。会場の大人たちは子供たちの身体能力に驚きの声をあげました。

いっぱい運動して汗をかいたキッズ。ここで給水タイムです。DKCでは運動の合間に給水タイムを設けていて、参加したキッズに無料でスポーツドリンクが配られます。水分補給と集中力を切らさないためにも、給水タイムは大切なものです。

一休みしたキッズたちは、4面のレスリングマットに分かれてペアになり「補強運動」をしていきます。運動の前に「お願いします!」と言った後は握手。立っているパートナーのピンと伸ばした手の先と、足の先にタッチする運動をしていきます。スピードをつけてリズミカルにやる全身運動。運動終了の合図の笛がなったら、お互いを称えあい、拳を上げて「やったー!」。「イェーイ!」でハイタッチをしていきます。はじめは恥ずかしがっていたキッズも、やっていくうちに大きな声で「やったー!イェーイ!」。テンションもあがっていきます!その他、バランス感覚を養える脚ジャンケンや、パートナーが床にタッチしたタイミングでバンザイジャンプをする運動、タオルを持った先生と一対一のタオル綱引き。様々な補強運動でキッズの持つ身体能力はさらに引き出されていきます。

補強運動のあとは「構え」を学びます。高田先生によると、アスリートもテレビヒーローもみんな「構え」がきちんと出来てこそ持つ力を発揮できるとの事。脚を肩幅に広げ、手を両膝に当て、顔の前に持っていく・・・こうして「構え」ができます。キッズは真剣なまなざしで先生の「構え」を見つめ、実践です。
構えから先生の腰に自分の「ほっぺ」をつけて、先生の膝の裏を抱える「ハグ」。自分の胸を先生にどんとくっつけて「体当たり」。こうしてキッズは「構え」から「ほっぺ」「ハグ」「体当たり」と段階的に「タックル」を身につけていきます。タックルしたら一緒に倒れこんで先生を押さえ込む。これでレスリングに必要な基礎もばっちりです!

レスリングに必要な基礎を習得したら、先生たちとのレスリング対決に向けてチーム形式のトレーニング「トリプルバランス」。ソックスを止めるためのテープを先生たちの両足首と腰、3ヶ所にセットし、キッズが時間内にそのテープを取っていくというものです。テープの代わりにティッシュを使ってもできるので、ご家庭でもできそうです。トリプルバランスは今まで学んだ構えとタックルのパワー、俊敏さも求められます。構えてタックルして、先生の両足首のテープを取る。その後の腰のテープ取りには苦戦を強いられますが、先生の身体をひねった拍子にスッと取るテクニックを身につけた子も!

さて、いよいよ最後は、先生たちとのレスリング対決!レスリングのルールと同じく、相手の両肩を1秒間つけたら勝ちというもの。これをレスリングでは「フォール勝ち」と言います。1秒なら楽勝だね!なんて思いますが、猛者ぞろいの先生たち、小さなキッズは勝てるのでしょうか・・・?!
「お願いします!」小さな身体で大きな先生に挑んでいきます。その姿はどれも自信に満ち溢れていて、光っています。構えに、ほっぺ、ハグして、そして体当たり!その後は押さえ込む!会場内に先生たちが倒れ込む「バーン」という受身の音が響き渡ります。今まで学んだことをフルに実践するキッズ。眼差しは鋭く、動きは俊敏。高田先生とのお約束の一つ、「お願いします」「ありがとうございました」の挨拶も自然と身についています。DKCが始まる前よりも、キッズそれぞれの顔がなんだか精悍になったようです。

最後は、ジャンプにバタ脚、腿上げ、腕立て1分間でDKCの締めくくり。最後はみんなで今日一番の大きな「やったー!!イェーイ!!!」運動することの楽しさを全身で感じました!

これですべてのメニューを終えました。キッズたちは整理運動をして、「ありがとうございました」と先生たちに大きな感謝の気持ちを伝えました。
メニューを終えたキッズに感想を聞くと、「とっても楽しいから何回も来てる!またやりたい!」とキラキラした笑顔で答えてくれました。中には、このDKCでお友達になった子と毎年来ているというキッズも。また、お父さんお母さんからは「おとなしい子だと思っていたけど、先生にお願いして何度も対決をしている姿に、こんな積極的な一面があったんだと驚きました」という声も。

キッズたちはトレーニングを通して引き出された運動への楽しさと礼儀を学び、お父さんお母さん方は、普段の生活で気がつかなかったキッズの新たな成長の一面を見られた実りあるひと時だったようです。最後に、高田先生から今回の感想です。
高田先生
「日々変わっていく、いい方向に変わっていくという充実感が、たった数時間だけど彼ら(宮古のキッズ)と接していると、ひしひしと伝わってくる。子どもは大人を見て成長している。大人も子供から元気をもらっている。確実に、宮古という街が大人子供含めて、人々の想いで、力で、いい方向へ変化していくということが子どもたちと触れ合うことによって、あのパワーを感じることで、伝わってきました!」

みなさん、またお会いしましょう!!次回のDKCは11月5日神戸市で開催されます!