イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2017年07月06日

オリンピックメダリストも参戦!!5回目の開催『第84回DKC in仙台』

【日時】2017年5月21日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】宮城県仙台市泉区・泉海洋センター
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》94人
《小学校1年生~2年生のクラス》86人

髙田道場が主催する第84回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)。今回の会場は宮城県仙台市泉区にある泉海洋センター。宮城県での開催は5年連続5回目、仙台市では昨年10月に続いて4回目となります。

例年に引き続き、今回も地元の皆様からの熱烈なサポートをいただきました。会場となった泉海洋センター様や関係各位、スポンサーの皆様には厚く御礼申し上げます。また、前日のマット敷きなどの会場設営から撤収、さらには当日のキッズたちへの指導で多大なるご協力をいただきました山形県の山形商業高校レスリング部のみなさんにも感謝申し上げます。『DKC in仙台』が無事に開催されたのはみなさんのサポートのおかげです。本当にありがとうございました!(8月に地元・山形県で開催される山形インターハイでの山形商業高校レスリング部のみなさんのご活躍をお祈りします!)

さらに今回はゲスト・コーチとして、2012年ロンドンオリンピックに出場した二人のオリンピアンも仙台に駆けつけてくださいました。男子グレコローマン60㎏級で銅メダルに輝いた松本隆太郎先生と、同じくグレコローマン55㎏級に出場した長谷川恒平先生です。松本先生は、なんとオリンピックの銅メダルを首にかけての登場。本物のオリンピックのメダルを目の前にして、キッズたちも大興奮でした。

そんなゲストと共にキッズたちの指導にあたるのは、DKC主宰者であり髙田道場代表の髙田延彦先生、メインMCを務める向井亜紀先生、いつもキッズたちにレスリングを指導している佐藤亮太先生ら髙田道場キッズレスリングのコーチ、さらにイベント開始前からすでにキッズたちに大人気だったお笑い芸人・森一弥さん(浅井企画)をはじめとするレギュラー陣。今回も充実したメンバーが勢揃いです!

イベントが始まる前に、まずは先生たちからの大事なお話が。向井先生が「レスリングというのは、体と体が触れあうスポーツです。体と体が触れあうということは、心も近くなります。だから今日は、みんなと心をどんどん近づけて、全員と仲良くなります。そして、みんなに本気を出してもらいます。みんなの“思いっきり”の力を出してもらいます」と宣言すると、山形商業高校レスリング部の芦野監督も「今日はみなさんが『来てよかったな〜』と思えるようにお手伝いします」と気合い十分。さらに、母親が宮城県出身のため宮城に対する思いは人一倍という髙田先生からも「終わった瞬間に、『え〜、もう終わり!? もっとやりたかった〜』って思えるような時間にしていきましょう。そのためには、元気よく挨拶をすること。そして、ひとつひとつの運動を、下手くそでもいいから全力で力いっぱいやること。この2つの約束を最後まで守ってください」というお話がありました。「話を聞くこともダイヤモンドキッズカレッジの大事なテーマ」ですが、仙台のキッズたちは真剣な眼差しで最後までちゃんと聞いていてくれました。

そして、髙田先生から「今日のイベントの終わりに、ここにいる強〜い先生たちと、レスリングの試合をしてもらいます! 真剣勝負してもらいます!」という目標が発表されたあと、松本先生と長谷川先生によるレスリングの試合のデモンストレーションが行われました。ものすごい迫力のレスリングを見て一斉にざわつきはじめたキッズたち。果たして、みんな本当にレスリングの試合なんてできるのでしょうか?

そんな一抹の不安を残したまま、いよいよ『DKC in仙台』がスタート。全員で元気よく「よろしくお願いします!」の挨拶したあとは、いつものように向井亜紀先生考案の「おそうじ体操」で身体をほぐします。家をお掃除する動きがそのまま体操になっているので、キッズたちにも簡単にできるおもしろい体操です。

続いてマットの上ではダッシュ、雑巾がけ、クマ歩き、カエル跳びといった基礎運動が続けられます。その運動のお手本を見せてくれるのは、なんと今回のお手伝いに来てくれた山形商業レスリング部出身で、社会人2年目の髙田道場・中野茂先生。後輩たちの前でカッコ悪い姿を見せるわけにはいかないと、山形弁の「はい〜!」という大きな返事とともに、全力でお手本を披露してくれました。ちなみに、この基礎運動レベルですら、試しに大人たちがやってみると、キッズたちのような機敏な動きは到底できません。それを当たり前のようにとやってしまう彼らの潜在能力の高さ。まさにダイヤモンドの原石です。

基礎運動が終わると、水分補給のために一旦休憩。いつもは涼しいはずの仙台が、この日はなんと、東京よりも気温が高いという驚きの暑さ。そのため全員にスポーツドリンクを配布して、こまめな水分補給が心がけられていました。さらに会場には小児科医の先生たちが待機して、心身ともに子供たちのケアにあたってくれているおかげで、安心して練習に打ち込むことができるのもこのイベントの大きな特徴です。

その休憩中、地元テレビ局の取材に応えた髙田代表は、「みんなで一緒に汗を流すことの楽しさ、気持ち良さ、そしてそのあとのご飯の美味しさ、夜、布団に入ったときにスッと眠れる感じ、そういうこの年代の子供たちにとって何より大事なものを体験して、それを持ち帰ってくれれば、それで僕らが伝えたいことは十分に伝わると思ってます。もちろん、そういう子供たちのキラキラした目を見ると、僕らも『また次へ向かって頑張ろう!』っていう気持ちになりますから」と話していました。

水分補給の休憩のあとは、二人一組になってのマット運動で身体を強化していきます。全速力で立ったり座ったりを繰り返す運動、お互いの股をくぐる運動、交互に高くジャンプする運動など、どれもかなりハイレベルな運動ですが、これまたキッズたちは軽々とやってのけます。そして、その運動が終わった瞬間のお約束は、「ヤッター!(ガッツポーズ)イェーイ!(ハイタッチ)」と恥ずかしがらずに大きな声でお互いを称えること。このお約束のお手本を見せてくれたのは、今回の影の主役・中野先生と、山形商業レスリング部のキャプテンで96㎏級全国3位の実績を持つ秋場雄星先生。お互いを知り尽くしたレスリング部の先輩・後輩という照れくささを乗り越えて、元気よく「ヤッター! イェーイ!」を決め、全力の熱いハグまで見せてくれました。

その後、再びの水分補給休憩を挟んでからは、いよいよ本格的なレスリングのテクニックがレクチャーされます。まずはレスリングの構え。あらゆるスポーツで基礎となる構えはとても重要です。たとえばレスリングの構えの場合、足の幅が広すぎたり狭すぎたりすると簡単に倒れてしまいますし、逆に正しい構えができていれば、どんなに押されても倒れない強さを発揮できます。ちなみに名門・鹿屋体育大学で器械体操をやっていた石郷先生は、構えの状態で押されて、そのままバック転4連発を決める驚異的なムーブを披露して、会場中から拍手喝采を浴びていました。

そして、続いてはタックルの練習。大人でもなかなか習得するのが難しいレスリングのタックルを、DKCでは「①(相手の腰に)ほっぺたをつける→②(相手の膝の裏に手をあてて)ハグ→③思い切り体当たり」というわかりやすい3つの動作に簡略化して、キッズたちタックルの基本を学んでもらいます。すると、あっという間に理解したキッズたちは、体の大きな先生たちにタックルをバンバン決めていきます。さらには、先生たちが足とお尻に付けたテープを奪うというスピードアップ強化の練習も行われ、いよいよキッズたちは最後の試合に挑みます。

DKCで行われるキッズと先生との試合は、本物のレスリングと同じく、相手の両肩を1秒以上マットにつけてフォールをすることで決着となります。ほとんどのキッズたちがレスリングは初体験、しかも、わずか2時間弱のトレーニングのみで試合に挑むことになるわけですが、そのわずかな時間で教わったことがしっかり頭に入っているキッズたちの動きは、全員がまるでレスリング経験者のよう。高校生の先生たちだけでなく、松本先生&長谷川先生のオリンピアン・コンビにも果敢に挑んで、次々とフォールを決めていきました。試合前と後には必ず握手で挨拶をするという約束も、みんな忘れていませんでした。

そんな熱い試合が終わり、班ごとに記念撮影を行ったあと、イベントの締めくくりは、DKC恒例の全員で手を繋いで輪になっての大スクワット大会。これだけ動いたあとにも関わらず、一人も脱落することなく50回のスクワットを見事クリア。一体どこにそんなエネルギーが残っているのか? 毎回、キッズたちのスタミナには驚かされるばかりで、髙田先生も「本当に、これからあと2時間でも3時間でも続けてられそうなくらい、今日のみんなはすごかった。もちろん、このままあと2時間やったら、先生たちのほうが倒れちゃうけどね」と舌を巻いていました。

終わりの挨拶では、向井先生も「みんなが、どんどん集中して、どんどんチャレンジして、自分を試してみようとする気持ちを、今日はひしひしと感じました。実は、他の場所でこのイベントをやると、タックルの練習で照れちゃってなかなか思いっきりできない子ばかりのときもあるんだけど、ここ仙台には、そんな子は一人もいなかった。恥ずかしがらずに、本当にまっすぐに向かって行く気持ちがすごかったです。もしかしたら、それは仙台が日本一かもしれない」と仙台のキッズたちを大絶賛。さらに、髙田先生が「これだけは言っておきたいということがある子はいる?」と挙手を求めると、「タックルするのが楽しかった」「先生たちが優しくて、またやりたいと思った」「髙田先生が強かった」という熱い感想に加えて、「全部楽しかった!」という声が上がり、スタッフや先生たちからも大きな拍手が起こりました。

続いて山形商業の秋場キャプテンが「今日はみなさんに勇気とパワーを与えるつもりが、逆に高校生たちのほうがみなさんから勇気とパワーをもらってしまいました。レスリングを通して、お互いがさらに強くなれた気がします」と話すと、髙田先生から「なんか、PTAのおじさんみたいにしっかりしたコメントだね。さすがキャプテン」と絶妙なツッコミが。最後には日本体育大学レスリング部のコーチでもある松本先生から「僕たちは今、3年後の東京オリンピックに向けて、金メダルが獲れる選手を育てるために頑張っています。だから君たちも、それぞれの夢や目標に向かって、今日のように一生懸命、全力で頑張っていってください」というメッセージも贈られました。

もしかして、この“日本一”のキッズのなかから将来のオリンピアンが生まれるかも? という予感すらさせてくれた『DKC in仙台』は、これで終了。
次回は6月11日、大分県別府市で開催となります。