イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2017年05月29日

9回目の開催!『第83回DKC in福岡』

【日時】2017年4月30日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:00~11:30
《小学校1年生~2年生のクラス》13:00~15:30
【場所】福岡・第一薬科大学
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》103人
《小学校1年生~2年生のクラス》106人

高田道場が主催する第83回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、福岡で9回目、第一薬科大では初の開催となりました。

イベント開催にあたり地元の三井(みい)高校レスリング部の皆様にご協力いただきました。会場の設営からキッズの指導まできめ細かいサポートでイベントを支えていただきました。田中章仁監督から「今日は元気で楽しくケガのないようにレスリングを頑張ってください」と優しい笑顔で挨拶がありました。さらに地元の高田道場福岡やずやキッズクラブ出身の中学生・高校生も応援に駆けつけてくれました。中学1年生のこうた先生は「僕もこないだまでそっち側にいてレスリングを楽しんでいました。皆さんも笑顔で帰れるように楽しんでください」としっかりと挨拶をしてくれました。この立派な姿に向井亜紀先生も思わず涙ぐんでしまい、「親戚のおばちゃんのようになってしまいました」と照れ笑い。三井高校レスリング部、高田道場福岡会員の保護者の方々をはじめボランティアでイベントをサポートしてくださいました地元の関係各位、スポンサー各社様、DKCを支えてくださり福岡やずやキッズクラブでも多大なるご協力をいただいております株式会社やずや様には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

約半数がDKC初参加で、レスリングをやったことがない人も多い今回のDKCは、しっかりとお話を聞く集中力を持ったキッズたちが多く、高田延彦先生は「キミたちの集中力があれば、今日はきっといい時間になると思います」と関心した様子。「まったく緊張していない子!」と質問すると、ほぼ全員が挙手しました。むしろ初めて教える側に立つ高校生の先生たちの方が緊張していました。高田先生はキッズたちに対して「ちょっとは緊張感持てよ!」と笑顔を浮かべました。

そして「挨拶は元気よく」「下手でもいいから全力でやる」この2つを約束をしました。「2つの約束を守って身体を使ってくれたら、黄色いシャツを着た強い先生たちとレスリングの真剣勝負で試合をしてもらいます」と告げられました。キッズたちはさっそく教えられたとおりに「はい!」と大きな声でいいお返事。これは楽しみな展開です。

正座して「よろしくお願いします」と一礼すると、まずは「おそうじ体操」で身体をほぐします。向井先生考案のおそうじの動作を体操に取り入れたDKCオリジナルの体操です。続いてダッシュ、雑巾がけ、熊歩き、カエルジャンプと体幹を使いながら全速力で走る運動が続きます。この春から高田道場福岡で指導している山形出身の中野茂先生が、山形弁でお返事をしながらお手本を披露していきます。

キッズたちにとっては初めてチャレンジする動作がほとんどでしたが、アスリートの先生が披露するお手本を一度見ただけで把握して自分の動きにしてしまう吸収力の高さは素晴らしいものがあります。実際、雑巾がけに大人がチャレンジする一幕もありましたが、大人たちはフラフラでした。大人にできないことを平然とやってのけるキッズたちの運動能力の高さが証明されたところで、水分補給を挟み基礎トレーニングは続きます。

休憩明けは二人一組で行う運動です。立ったりしゃがんだりを全速力で繰り返す屈伸運動、相手の股の下をくぐるトンネルくぐり、交互に全力でジャンプを繰り返す運動など、かなりハードな内容です。向井先生からは「自分の中のパワーを出せ!」と檄が飛びます。運動が終わると子供たちはマットに倒れ込むほど消耗しています。運動後に自分と相手を称える「ヤッター! イェーイ!」の動きを三井高校の山下主将と高田先生で披露したのですが、高田先生がお手本を間違えて照れ笑いというひとコマがあったこともお伝えしておきます。

タオルを使った綱引きもレスリングに必要な引く力を鍛える重要な練習です。高田先生もキッズ相手に全力で綱引きを行ないます。全員が見守る中、小学生のやまとと高田先生の綱引きも行われ、大歓声の「やまと」コールの中、見事高田先生の足を動かすことに成功しました。

水分補給を挟んでからは、いよいよレスリングの指導です。足を肩幅に開いて、手を膝に置く。右足を一歩前、手を顔の前で構えたらレスリングの構えの完成です。これでちょっとやそっとでは崩れないバランスの良い姿勢を手に入れたキッズたち。次はタックルの指導です。相手の腰に自分の頬をくっつけて、ヒザ裏を抱きかかえるようにハグして、胸から体当りして体重を相手に預けます。あっという間にタックルを覚えたキッズたちはさらなるレベルアップのために、先生たちの両足首と腰についた紐を取るゲームにもチャレンジしました。逃げる先生をタックルで捕まえるという運動です。これで動体視力とスピード感覚が養われます。

そして、ついにメインイベントです。高田先生が最初に言った先生たちとの試合です。ルールはレスリングの試合と同じ。相手の両肩を1秒間マットにつけたら勝ちです。「勝てる自信のある子!」という高田先生からの質問に約半数のキッズたちが手を挙げました。これには「先生たちも頑張らないとね」とニッコリと笑った高田先生も、自らキッズたちとの試合に参加しました。

試合が始まるとキッズたちは夢中になって大人の先生に立ち向かっていきます。鋭いタックルで相手をとらえると、しっかり倒して相手の上に乗ります。先生が必死で抵抗してもキッズたちは全力で肩を押さえつけて、1秒間のフォール勝ちを次々と奪っていきます。高田先生もキッズたちとの真剣勝負に臨み、キッズたちのタックルに胸を貸していました。

あっという間に試合の時間が終わり、高田先生が「先生に勝った人は手を挙げてください!」と聞くと、キッズたちが全員挙手。「じゃあ先生に聞きます。子供たちに負けた先生は?」と聞くと、これも全員挙手。「うん、わかった。辻褄が合っちゃった」と納得の表情。子供のパワーはどうでしたか? と先生に聞くと「すごく強い。本気で向かってくるから、こっちも本気でやらないといけなかった」「強かった」「みんなが本気だった」「タックルもうまいし、当たりも強いし早かったです」と相次ぐ絶賛! 子供たちのこの小さな成功体験は、今後の人生において、どんなふうに活かしてくれるのでしょうか。

「最高の時間になったと思います」と感想を述べた高田先生は、集まった報道陣の取材に対しても「我々大人は3時間やっても何の変化もないが、子供たちは3時間で成長するんです」と子供たちが成長する喜びを語っていました。

最後に子供たちに「最後に言っておきたいことがある子はいる?」と呼びかけると、最初に手を挙げたゆうかは「最初は大きい人たちと闘うのは難しいと思っていたけど、頑張ったら楽しくなりました」と感想を堂々と言いました。続いて、みどりは「大きい人と闘うことになって緊張したけど、できて嬉しかったです」と言いながら涙がポロリ。喜びと緊張からの解放で泣いてしまったその姿に場内の保護者や先生たちからも大きな拍手が送られました。

「高田先生と試合ができて嬉しかったです。またやりたいです」という子供と「よし! また来年やろう」と笑顔で約束を交わした高田先生。来年10回目となる福岡でのDKC開催を約束してイベントを締めくくりました。

次回は6月11日、大分県別府市で開催されます。