イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2016年04月20日

2回目の東村山で元気いっぱいに『第74回DKC in 東村山』

【日時】2016年3月27日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】東京・東村山市民スポーツセンター
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》110人
《小学校1年生~2年生のクラス》128人


高田道場が主催する第74回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、東京都東村山市で2年連続2回目の開催となりました。開催にあたり慶応義塾大学、東京大学、法政大学の各レスリング部にご協力いただきました。会場の設営からキッズの指導まできめ細かいサポートでイベントを支えていただき、とくにキッズへの指導は子供たちの目線に合わせてレスリングの楽しさを共有する心のこもった内容で、子供たちからもいつも以上に笑顔があふれた大会となりました。また会場でもスピーチをしていただきました渡部尚・東村山市長をはじめとする地元の関係各位、スポンサー各社様の多大なるご協力をいただきまして、今回もDKCを開催することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

2回目のDKC in 東村山となった今大会ですが、初参加のキッズも非常に多く、トレーニングが始まる前は自信なさ気な子も多い印象を受けました。そんな中、法政大学の小島コーチから「ケガをしないようにおもいっきりレスリングを楽しんでくださいね」と優しいアドバイスが送られます。やがてコーチ陣の中に紛れ込んだ首からメダルを下げた謎の男にキッズたちが気が付くと、どよめきが発生します。その男の名は……、DKCではお馴染みのお笑い芸人・エネルギー森一弥先生(エネルギーはこのイベント後に解散を発表。もちろん森先生はタレント活動を継続)。そのメダルは今年1月に開催された第15回全日本マスターズレスリング選手権大会41~46歳の部で3位入賞した時のもの。目を輝かせるキッズたちに森先生は「僕と試合をして勝ったら、このメダルをあげるかもしれませんよ~」とニヤリ。

高田先生から「こんな大きなマットの上で飛んだり跳ねたり全力で相手にぶつかったりする経験をあまりしたことないでしょう? せっかくやるんだから『(DKCに)来てよかった』『もっとやりたい』という時間を一緒に作ろうね。今日の主役はキミたちだよ!」と檄が飛びました。さらに「キミたちをびっくりさせるような目標を作っちゃおうかな。今日は最後に、先生たちと試合をして勝ってもらいます!」と言われ、自信のなさそうな表情を浮かべていたキッズたちはどのように成長するのでしょうか?

向井先生が考案した「おそうじ体操」で全身をほぐした後は、ダッシュ、ぞうきんがけ、カエルジャンプ、クマ歩きを立て続けに行います。ぞうきんがけはあまり馴染みのない子もいましたが、すぐに身体で覚えて気がついたら全力疾走しています。じつはぞうきんがけは体幹を鍛えるのに最適な運動なのです。水分補給の休憩時間にはスポーツドリンクが配布されます。ここまでの時点で学校の体育の授業以上に動き続けていますが、脱落する子は一人もいません。

再開後はスクワット、足じゃんけん、ジャンプ、綱引きを行います。コーチを務めた学生たちは、トレーニングに戸惑ったり、バテ気味のキッズに優しく声をかけて、本来持っている力を引き出してあげるのに一役買っていました。高田先生も綱引きで子供たちと勝負をして笑顔でいい汗を流しています。

レスリングの練習に突入してからは、コーチを務めた大人たちの表情も一変します。キッズたちが貪欲に技術を吸収して、目を輝かせながら本気でぶつかってくるので、高田道場の大人コーチ陣は表情が必死になっていきます。タックルの構えから、入り方、抑えこみの方法を身につけたあとは、いよいよ試合が始まります。試合直前の休憩時には、向井先生のところにやってきた子供から「どうやったら先生に勝ったことになるんですか? 試合のルールを説明してもらえますか?」という質問が飛び出したそうです。これには高田先生も目を細めて「前に向かう気持ちが嬉しいね」と喜びを噛み締めていました。

DKCで行われるキッズと先生との試合は、レスリングと同じで両肩を1秒以上マットにつけてフォールをすることで決着となります。試合が始まると、習いたてのタックルで夢中になって先生に向かっていくキッズたちの姿があちこちで見られました。高田先生も子供たちのタックルを全力で受け止め、「メダルをかける」と言っていた森先生は子供たちにフォールされていました(メダルは奪われなかったようです)。たった30分のレスリングの練習で、子供たちは全員が見事に成長して大人たちからフォールを奪っていました。向井先生も「身体も心も強くなってるね」と絶賛です。何より「自信が増えた人?」という質問に、参加したキッズが元気よく全員挙手していた姿が、この日の成果を如実に物語っています。

最後は1分間のサーキットトレーニングで残りの体力を使い切り、もうヘトヘトというところまで身体を追い込んで、スクワット50回で締めくくりです。

「私は今日は時間が経つのが早く感じました。『もう終わりなの?』って。いい時間を過ごすことができました。キミたちのおかげです。DKCを10年間やってきたのは、キミたちの年代にとって何が大事なのかを感じてもらうためです。毎日外でお友達と身体を動かして遊ぶこと。お腹を減らしていっぱいご飯を食べて、いい睡眠を取ること。これが身体を成長させるんです。その経験が大人になってつらいことがあっても、それを跳ね返して前に進む強い土台を作ることになるんです」高田先生の言葉にじっと耳を傾ける子供たち。DKCは運動のイベントではありますが、その一環としてお話を聞くことも大事なトレーニングの一つです。集中してお話を聞く姿は、この日のイベントの内容の質の高さの表れと言えるでしょう。

「どうしても言っておきたいこと、あるかな?」子供たちにそんな質問をぶつけると手を挙げて、この日の感想が次々と飛び出しました。「クマ歩きとカエルジャンプが難しかったです」「先生といっぱい試合できて、いっぱい勝てて嬉しかった」「ぞうきんがけは難しかったけど、やってみたら楽しかった」「強い先生がいっぱいいたけど、倒せたのが楽しかった!」「高田先生に負けたのが悔しかったです」これには高田先生も笑顔を浮かべ、「もう少しで負けるところだったよ。また参加して挑戦してね」と言葉をかけていました。

さらに高田先生は「この場を借りて父兄の皆さんにお伝えしたいことがあります。DKCは74回やっていますが、これだけの子供を相手するには学生さんの力が非常に重要なんです。レスリングはコンタクトのあるスポーツなので、なるべく子供たちにはケガなく、楽しんでやってもらいたいと思っています。今日のコーチを務めてくれた学生さん、横で見ていたら子供たちの親戚のお兄さんのようないい笑顔でやってくれたんです。子供たちにそうやって接してくれた学生さんたちに大きな拍手を送ってもらえませんか? 彼らがいなければ成立していませんからね」場内からは大きな拍手が起こりました。

DKCは10年目を迎え、内容もギュッと充実してイベントの質も高くなってきています。子供たちの健全な育成のため、これからも全国各地にうかがってイベント開催していきたいと思います。次回は5月1日、福岡県で開催されます。