イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2024年08月29日

第118回ダイヤモンドキッズカレッジ~ファミリーで強くなるin岩手県宮古市

8月18日、岩手県宮古市の宮古市民総合体育館(シーアリーナ)で髙田道場主催の第118回ダイヤモンドキッズカレッジが開催されました。

東日本大震災で大きな被害を受けた宮古市とそこで暮らす子どもたちを支援しようと2012年から始まり、今回で11回目の開催となる宮古でのDKC。大いに盛り上がったその模様をレポートしたいと思います。

まず、髙田延彦はじめスタッフはイベント前日の8月17日に宮古へ到着、東日本大震災で大きな被害を受けた宮古市内の田老地区を視察しました。じつは、12年前に初めて宮古を訪れた際にも訪れた場所です。あのときから時は流れ、街の復興は進み、新たな野球場や立派な防潮堤が整備されています。一方で、震災の被害の大きさを物語る“津波遺構”として「たろう観光ホテル」は被害を受けた当時のままの姿そびえ立っています。ガイドの方は「海と生きるということは、津波と向き合うということ」と語り、この建物が残された経緯を語ってくださいました。

6階建てのホテルを高さ17メートルの津波が襲い、4階部分まで鉄骨だけむき出しで残された状態になってしまいます。津波がホテルに激突した瞬間を6階にいたホテルの社長が撮影していて、震災ガイドツアーに申し込むとホテル6階で、その命がけの動画を見ることができます。YouTubeなどには上がっていない映像です。実際の災害現場で見ることで、あらためてその被害の大きさと防災の重要性を感じる貴重な体験でした。12年ぶりに訪れた田老地区で、あらためて宮古へ寄せる思いを新たにしたスタッフ一同でした。

翌日はお天気にも恵まれ、13時からシーアリーナでDKCがスタートしました。子供は保育園の年少さんから小学校6年生まで幅広い年齢層が参加、トータルで50組100名の親子が一緒に運動で汗を流しました。キッズたちはDKCがプレゼントしたお揃いの白い髙田道場Tシャツを着て参加してくれました。

山本正德・宮古市長も公務の合間を縫って会場にご来場いただき「今年もDKCを宮古市でやることになりました。震災後ずっと来ていただいて、コロナでお休みした時期もありますが、今回で11回目になります。親子で体操して、楽しい時間を過ごしてもらえたらと思います」と挨拶してくださいました。いつも市をあげてサポートしてくださる心強いパートナーです。

「子どもたちは約束してください。今日は真面目にやらなくてもいいので、本気でやってください! 大人の人たちは、今日は絶対に叱ってはいけない日です。今日は親子ではなく対等な関係なので、ちゃんとお互いに『よろしくお願いします』と挨拶してください」

最初に向井先生がDKCの大事なルールを説明します。ファミリーで強くなるのは、お互いの支え合いが大事。運動のレクチャーはDKCのボランティアスタッフが教えてくれるし、もしもどこかを痛めてしまっても、医療チームがスタンバイしているので安心ですが、お互いの心に寄り添って支えるのは家族です。そんな思いから「DKCの間は大人が子供を叱らない」というルールを徹底しています。

髙田先生も「力いっぱい全力でやろう! せっかくみんなが集まったんだから、来てよかったねど思える時間を過ごしましょう」と挨拶して、DKCがスタートしました。

DKCではおなじみの「おそうじ体操」で、音楽にあわせて身体を動かして準備体操。

最初の運動は「学校の体力テストでいい成績を取るために必要な運動」です。立った状態から床に手をつける動きの立位体前屈、左右に素早くステップする反復横跳び、その場で前方にジャンプする幅跳びを集中的にトレーニングしました。家族同士で、家の中でもできる運動のコツをみんなで練習しました。

ちなみに今回のDKCは髙田道場の佐藤亮太先生と、地元・宮古の高校生・村上継思(けいじ)くんがお手本を披露、レクチャーしてくれました。

次は学校の運動会で使えるテクニック、綱引きとダッシュのコツを練習です。ほんのちょっとのテクニックで、勝てなかった相手に勝てるようになり、いままで以上に記録が伸びることを体験して、子供たちが目を輝かせていました。

たとえば、ぞうきんがけをやると、徒競走の記録が伸びるってご存知でしたか?

実際に全国の小学校でそのようなデータが取れている科学的にも効果が証明されている練習なんです。身体のバランスや足腰を鍛える運動は、小学校までのお子さんには非常に役立ちます。もちろん、しばらく運動から遠ざかっている大人の皆さんにも有効なのは言うまでもありません。飛んだり跳ねたり、引いたり押したりといった基本的な動作で、身体の中に眠っている可能性を引き出していくのがDKCの醍醐味です。

後半からは、レスリングの要素を取り入れた運動になります。うつ伏せになった大人を仰向けになるまでひっくり返す“お好み焼き”や正しく構えた状態から、相手と組み合っての“押し合い”など真剣な眼差しで取り組んでいます。そこには、髙田先生や向井先生が最初にお話した全力で取り組む子どもたちの姿がありました。

一番最後のトレーニングは、残った体力をすべて搾り取るようなサーキットトレーニングです。ダッシュ、バタ足、もも上げ、ジャンプを瞬時に切り替える運動で、1分間動き続けるとてもきつい運動です。それでも最後まで元気にやりきった宮古の子どもたちはじつに見事でした。

最後のお話で、向井先生は「今日、自分はどう強くなったのか? それをお家の人と話し合って、確認することでDKCが完結します。なので今日はしっかりお家の人と話してくださいね」と語りかけました。親子で強くなるのがDKCだから、一緒に参加してパートナーとして運動を頑張った家族の人に、何が良かったかのかを聴くのはとても大事。こうしたコミュニケーションが、子どもの自己肯定感となり心を育てていきます。

最後に「今日、DKCに来てよかったなと思う人、手を挙げて」と髙田先生が質問すると、みんなが手を挙げてくれました。

「サーキットで太ももがつらかったけど楽しかった」
「今日やったことが全部あっという間だった。夢じゃないか、ほっぺをつねって確かめます」
「綱引きで手がブルブル震えた」
「そうきんがけが楽しかった」

次から次へと楽しかった思いが語られましたが、手を上げて思いを伝えてくれた子の一人がこんなことを語ってくれました。

「小学6年生なので今日が最後のDKCでした。全力を出し切れてよかったです。(保育園の)年中の時から毎年参加してたんですが、いままで楽しかったです。ありがとうございました」

DKCが宮古に初めて来てから12年。毎年、一緒に汗を流して見守ってきた宮古の子どもたちが、こんなふうに感謝の気持ちを伝えてくれたことは、髙田先生、向井先生をはじめスタッフ一同、胸が熱くなりました。

「もしよかったら、今度はDKCで黄色いTシャツを着て、子どもたちに教える側で手伝ってね」と向井先生も言っていました。今後も一緒に宮古でDKCをやっていけたらと思います。

今回も大盛況で宮古のDKCを無事に終えることができました。サポートしてくださった宮古市長を始めとする宮古市の皆様、参加者の皆様、サポートしてくださった各企業の皆様には、この場を借りて感謝申し上げます。、

次回DKCは長野県小諸市で9月29日(日)に開催します。詳細や応募申し込みはこちら。
https://dkc.takada-dojo.com/schedule/dkc119/