イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2016年08月08日

大自然の中で、身体を動かす!『第76回DKCin瑞浪』

【日時】2016年6月12日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】岐阜・瑞浪市民体育館
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》107人
《小学校1年生~2年生のクラス》103人

高田道場が主催する第76回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、岐阜県瑞浪市では2回目の開催となりました。今回のDKCは地元・岐阜県でブランド豚肉「ボーノポーク」を推進する瑞浪ボーノポーク生産振興協議会が主催となり、カタノ・ピッグファームをはじめとする地元企業をまとめていただき、万全のサポート体制の中でイベントを開催していただきました。

また、イベント開催にあたり地元の中京学院大学、中京高校、中津商業高校のレスリング部の皆様にご協力いただきました。会場の設営からキッズの指導まで裏方としてイベントを支えていただき、小学生の子供の心に寄り添い、どんなふうにレスリングを楽しんでもらえるかを常に考えたきめ細かい指導をしていただきました。さらに高校レスリングで東京都第1位という輝かしい実績を誇るDKCではすっかりお馴染みのお笑い芸人・森一弥さん(浅井企画)も参加して、子供たちを大いに盛り上げてくださいました。

いつも万全の態勢でサポートしてくださいます地元の関係各位、スポンサー各社様、DKCを支えていただいております株式会社やずや様には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

2年ぶり2度目の瑞浪開催ということもあり、参加したキッズの大半はDKC初参加でした。向井先生が「初めてだとドキドキするよね? 初めてやるんだから、うまくいかないのは当たり前。初めてのチャレンジでどれだけ頑張れるかを自分で感じてくださいね」と優しく声をかけます。何もかも初めての環境の中で、緊張やプレッシャーがかかるのは当然のこと。キッズたちがその殻を破ってどこまでできるのか、自分で挑戦するのがDKCの大きなテーマです。

子供たちは大きなプレッシャーの中で(ほとんどの子にとって)初めてとなるレスリングに取り組みます。ご存知のようにレスリングはボディコンタクトのある激しいスポーツです。参加するキッズの保護者の方々にいつもお願いしているのは、できなかったことを叱るのではなく、思いっきり褒めてあげてくださいということ。大人も息切れするような激しい運動を約3時間もやっているのです。子供たちの成長のスピードは目を見張るほどで、このイベントをきっかけに自信を育むことに成功する子も非常に多いです。そんな可能性を温かく見守ってくださいというのが、DKCからのお願いです。

「せっかく来たんだから、一緒にいい時間を過ごそうよ。主役はキミたちだから。『来てよかったな』と思えるイベントにしよう」高田延彦先生の呼びかけに目を輝かせる子供たち。続いて高田先生からは「今日の目標を決めようか? みんなにはここにいる先生たちと試合をしてもらいます。(100キロを超える大柄な)馬渕先生(中京大学レスリング部監督)とも試合をしてもらうよ!」と、無謀とも思える課題が出されました。

「ええ~っ!?」という驚きの声があがりましたが、果たしてどうなったのでしょうか? 子供たちが先生たちとの試合に向けて具体的にどんなトレーニングをしたのか詳しく振り返ってみましょう。

最初は向井先生が考案した「おそうじ体操」で身体をほぐします。日常生活やおそうじの動きを取り入れた体操で、全身をくまなく伸ばしていきます。続いてダッシュ、雑巾がけ、カエルジャンプ、クマ歩きといった基礎運動で心拍数を高めていきます。その中でも雑巾がけは体幹を強くし、走るのも早くなるということで子供たちも熱心に取り組んでいました。筆者も参加してみましたが、上半身と下半身のバランスを崩してしまってうまく前に進みません。大人がやると難しいことも、子供たちはすぐに自分の動きに取り入れてしまいます。恐るべき吸収力です。

この日、気温はそれほど高くはなかったのですが、湿度が非常に高かったこともあり熱中症の予防に水分補給は欠かせません。子供たちにはスポーツドリンクが配られ、こまめに水分補給の時間が取られました。この他にもDKCには小児科医のミホ先生、接骨院のノリ先生が必ず帯同して、心身ともに子供たちのケアにあたっているので安心して練習に打ち込むことができるのが大きな特徴です。

休憩の後は、バランス感覚が求められる足ジャンケン、しゃがんだ状態から交互にジャンプする動き、タオルを使って引く力を鍛える綱引きなど次第にレスリングに必要な要素の練習が増えていきます。高田先生も子供たちの相手をしながら「いいぞ!」「もっと引け!」「強いぞ!」と声をかけて子供たちのやる気を引き出します。練習の最後には「ヤッター! イェーイ!」とパートナーの子とハイタッチをするのが決まりになっています。岩見谷先生と馬渕先生がお手本を見せて「照れずに元気よく声を出す」ことの大事さを実演してみせていました。

ここからはレスリングの動作を一つずつ身に着けていきます。最初は構え、次に正しいタックルの入り方。そして倒した後にどうやれば「勝ち」になるのか、レスリングのルールに則った必勝法が伝授されます。ほっぺたを相手の腰につけて、相手の膝の裏をハグ、そのまま体当たりをして身体を預けます。倒した相手の両肩をマットに1秒間つけたら勝ちです。大学や高校のレスリング部の猛者たちを相手にキッズたちはちゃんと試合ができたのでしょうか?

試合開始のホイッスルとともにキッズたちは一斉にタックルで大人たちを倒しに行きます。基礎から体系立ててレスリングを教わっているので、子供たちは臆することなく立ち向かっていきます。スピーディーな鋭いタックルで先生の足元に潜り込み、足を引っ掛けて倒すと、ブリッジで逃げる先生の上に乗ってフォールを奪いにいきます。次々と先生たちにフォール勝ちしていく子供たちの顔は笑顔があふれていました。ついさっきまではレスリングをやったことがなかったキッズたちが躍動しています。ダイヤモンドキッズカレッジで最も子供たちが光り輝く瞬間です。磨き上げた体力と技術を発揮して、キッズたちが自らの可能性の扉を開けて光を放ち始めるのです。

子供たちの頑張りに向井先生も目を丸くして驚いていました。「先生に勝った人?」という質問には、もちろん全員が手を挙げました。子供たちのタックルを受けた高田先生も「1分ごと1秒ごとにうまくなっていくね」と舌を巻くほど。キッズたちに大きな拍手を送りました。「自信が増えたと思う人?」という質問にも多くの子供たちが手を挙げました。

「自分を信じることで凄く大きな力が出るようになるからね。自信が足りなくなったら今日のことを思い出してね。奇跡みたいな凄いことをやったんだから!」向井先生の励ましの言葉にキッズたちはじっと耳を傾けています。高田先生も「下手くそでもいい、遅くてもいい。一つずつの動きを全力でできたかな? 楽しかった? 来てよかったと思ってもらえたら嬉しいです」とニッコリ。

最後に、子供たちに「いまコレだけは言っておきたいということはあるかな?」とキッズにマイクを向ける高田先生。「レスリングで自分がちょっと強くなったと思います」「体操ってこんなに楽しいんだと思いました」と次々に感じたことを口にするキッズたち。先生を務めた学生からも「今日は小学生の皆さんと一緒にやって、しっかり言うことを聞いてくれたので、こちらもやりやすかったです」とお褒めの言葉が飛び出しました。

みんながハッピーでいい時間を過ごした後は、全員で精査をして挨拶をして締めくくりました。

次回のDKCは7月10日、大分の別府で開催されます。