イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2019年02月10日

『第96回 DKC in北九州』

【日時】2018年12月9日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】北九州市・九州共立大学 福原学園記念館
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》190人
《小学校1年生~2年生のクラス》176人

高田道場が主催するダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)もいよいよ96回目の開催。記念すべき100回目までのカウントダウンに突入しています。そんな今回は、福岡県北九州市での開催。これまで福岡県で9回開催されているDKCですが、北九州市での開催は、実はこれが初めて。今まで訪れたことのない土地で、どんな元気なキッズたちに出会えるのか? スタッフ一同、ワクワクしながら現地入りしました。

今回の開催にあたっては、大学レスリングの西の強豪校である九州共立大学レスリング部の選手や監督・コーチ、さらに北九州市に隣接する苅田町の苅田工業高校レスリング部のみなさんに、前日のマットや会場の設営から当日のキッズたちの指導まで、裏方としてイベントを支えていただきました。特にこの日は、朝の気温が5度以下という寒さの中での開催でしたが、高校生・大学生の指導者たちは、そんな寒さも吹き飛ばすようなパワーでキッズたちのトレーニングを盛り上げてくれました。

また、これまでの福岡での開催同様に、万全の態勢でサポートしてくださった地元の関係各位、スポンサー各社様、いつもDKCを支えていただいております株式会社やずや様には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

前述の通りの極寒の中での開催とあって、会場に集まったキッズたちも、はじめはみんな寒さに縮こまっていました。しかも、向井亜紀先生の「今日、お父さん、お母さんに連れられて、仕方なく来たっていう人は何人ぐらいいる?」という問いかけに、半分以上のキッズが挙手。これには会場中から笑い声が湧き上がり、向井先生も「正直でいい! 子供たちが素直な北九州、私は大好きです!」と大絶賛。

すると髙田延彦先生からは、「仕方なく来てくれた子どもたちも、これからの3時間が終わったときに『来なきゃよかった』という気持ちでは帰らないでほしいな。全部が終わったときに、『え? もう終わっちゃうの?』とか『来てよかったな』と思えるような、そんな3時間になるように、みんなで頑張ろう。そのためには、下手でもいいから全力でやること。そうすることで、身体中の細胞が元気になってくるから」とエール。それを熱心に聞いていた子どもたちの目がだんだんと輝いてくるのを見て、向井先生も「お〜! 燃えてきたね! いいね!」と、さらにキッズたちを盛り上げていきました。

その勢いのまま、いよいよ本番へ突入。まずは向井先生が考案したおそうじ体操で冷え切った身体を温めてから、マットの上を裸足で動く感覚を身につけるためのいくつかのトレーニング。最初のダッシュでは、まだまだ寒さのためにエンジンがかからないキッズたちでしたが、髙田先生から「北九州の子たちは足が速いってウワサを聞いたんだけど、あんまり速くないね? もっと本気を出して走れるはずだよ!」と煽られると、そこから見違えたように元気なダッシュを連発。身体もハートも、いよいよ温まってきたようです。

続いて、これをやると50m走のタイムも上がるといわれる、雑巾がけダッシュ。ちなみに、地元・北九州の学校では、自分の足跡が残らないように後ろ向きの雑巾がけを指導している学校も多いとか。ここでは大人のスタッフたちもお手本として雑巾がけダッシュをやってみますが、まともに完走できない大人もチラホラ。それを簡単にやってのける子どもたちの身体能力の高さには、毎回驚かされるばかりです。

その後、熊歩きなどの運動をいくつか終えてから、水分補給の休憩タイム。とても激しい運動が続くため、休憩の度に息が上がってグッタリしてしまう子も何人かいましたが、少しの休憩を挟んだだけで、みんなすっかり回復モードに。とてもパワフルな北九州キッズたちです。

ここからは二人一組のペアを組んでのトレーニング。いつものDKCではここから、2面のレスリングマットの上で全体を2班に分けての指導を行いますが、今回はいつもより多い3面のマットを使用しての3班編成。それぞれの運動の切れ間には、どの班が一番速く元のポジションに集合できるかを、「今回は1班が早かった」「今度は3班が早いな」などと競い合ってもいました。

ペアでのトレーニングでの毎回の“お約束”は、ひとつの運動の最後にお互いを讃え合う意味で、「ヤッター! イエーイ!」と大きな声を出してハイタッチすること。向井先生の「ここで大事なことは照れないこと。福岡県は照れ屋が多いらしいから、大丈夫かな?」との言葉を受けて、そのお手本を見せてくれたのが、九州共立大学レスリング部の藤山慎平監督。教え子のレスリング部員を相手に、照れくささを微塵も感じさせない見事な「ヤッター! イエーイ!」からの熱い抱擁を披露すると、会場は大爆笑。向井先生も涙を流して笑っていました。おかげでキッズたちにも照れがなくなり、次第に表情にも自然な笑顔がこぼれるようになってきました。

一通りのトレーニングが終わると、いよいよ、DKCのメインイベントであるレスリングの練習へ突入。レスリングの構えやタックルの練習を経て、最後は大学生・高校生の先生たちとのレスリングの試合を行うことになります。タックルの練習前には、向井先生から「この前、アメリカンフットボールの試合で、準備してない選手にタックルして、大変な怪我になったことがあったでしょ。だからこのタックルの練習は、絶対にふざけた気持ちではやらないで。そして、子ども同士では絶対にやらないでください」と注意の言葉。それを聞いて、キッズたちの目にもこれまでにない真剣さが加わり、会場の空気も少しピリッとしてきました。

最後に行われる先生たちとの1対1での対決は、「相手の両肩を1秒間マットにつけたら勝ち」という、レスリングの正式なルールに基づいて行われます。髙田先生から「今日習ったこと、自分の持ってるものを全部出さないと、強い強い先生たちには勝てないよ!」と背中を押されたキッズたちは、果敢に先生たちに挑んでいきます。小学生だと思って少し力を抜いていたところを思いっきりタックルで倒された先生が目を丸くした場面や、体重が5倍ぐらいある先生に女の子が必死で挑んでいく場面など、いくつもの“名勝負”がマットのあちこちで繰り広げられました。「レスリングの練習を始めてから、わずか20分でこんなにできちゃうなんて、ビックリだね」と向井先生。

マットの中央付近では、特別に髙田先生との試合も行われました。さすがに“最強”の髙田先生を倒すことは難しかったようですが、緊張しながらも挑戦して敗れていったキッズたちの顔には、満足そうな表情が浮かんでいました。髙田先生も「今日は金の卵がうじゃうじゃいるな!」と嬉しそう。短い時間のチャレンジでしたが、「一人、最低でも10回は先生たちと試合をしてみよう!」という目標を、全員がクリア。中には「35回やった!」なんていう新記録(?)も生まれました。

試合の後は、全員での記念撮影、そして整理体操をして、この日のプログラムはすべて終了。最初は寒さと緊張でぎこちなかった北九州のキッズたちですが、向井先生からの「今日、来てよかった! と思った人は?」という問いかけには、なんと全員が手を挙げてくれました。

それを見て大喜びの向井先生からは、「最初はみんな照れ屋なのかと思ってたけど、実は北九州の子たちは、負けたくない、あきらめたくないという気持ちが誰よりも強かった。みんなは元気も勇気もパワーも、全部持ってるから。今日みたいに『やってみたい!』という気持ちが満タンになったとき、きっとみんなは何でもできるようになるはず。それを絶対に忘れないで!」とキッズたちへメッセージ。

最後に髙田先生からも、「DKCは今年で13年目。つまり、今日ここに来ているみんなが生まれる前からやっているイベントなんです。今日の3時間をどう感じたかは人それぞれだろうけど、DKCがはじまったときには生まれてなかった君たちと、こんなに素晴らしい3時間を過ごせたことで、本当に12年間続けてきてよかったと、心から思うことができました」という熱い言葉が贈られました。

そうして無事に第96回目も終了したDKC。記念すべき100回大会まで、あと4回。

次回は2019年2月10日、さいたま市で開催します。