イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2017年07月24日

ゆるきゃら「べっぴょん」も登場『第85回DKC in別府』NEW

【日時】2017年6月11日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】大分・別府市民体育館「べっぷアリーナ」
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》139人
《小学校1年生~2年生のクラス》136人

高田道場が主催する第85回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、大分県別府市の別府市民体育館(通称・べっぷアリーナ)で開催されました。5年連続5回目の開催です。例年のように市を挙げての協力体制でDKCを盛り上げていただくため、参加者の多さも全国屈指です。レスリングマットが4面設置され、午前と午後を合わせ275名の子供たちにレスリングを体験してもらうことができました。

イベント開始前には別府で大人気のご当地ゆるキャラ「べっぴょん」も登場、さらに長野恭紘・別府市長もDKCのTシャツ着用でキッズたちにご挨拶していただきました。「みんなゲームやインターネットをやることは多いと思いますが、今日はカラダとカラダをぶつけ合って日頃できない経験をたくさんしてください。そして、相手のカラダや気持ちを思いやること、自分の心を強く持つことを意識して汗をかいてもらえればと思います」と挨拶をしていただきました。キッズたちに大人気だったべっぴょんは、イベント中も体操に参加したり積極的に絡んできてくれて、じつに心強いサポートでした。

マット設営からキッズへの指導まできめ細かなサポートをしていただいたのは、日本文理大学付属高校レスリング部、日本文理大学レスリング部の皆さんです。別府でのDKC開催時には毎回サポートをいただいております。勝龍三郎監督からは「毎回楽しく参加させてもらってます。みんなに負けないように大学生も高校生も楽しんでできたらと思います」というお言葉もいただきました。

別府市長を筆頭とする行政からのサポート、そして地元レスリング界からのサポートと同じく、DKCの理念にご賛同くださった地元企業の皆様のご協力があり、今回もイベントを無事に開催することができました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

親に言われてしかたなく来たという子も、楽しみで楽しみで仕方がなかったという子も、入り交じった状態でイベントはスタートしました。やや緊張ぎみだった子供たちに高田先生は「上手にできなくてもいいから、一つずつの練習を全力で思いっきり集中してやってください」と緊張をほぐすように語りかけます。
2度目、3度目のDKC参加となる子もいるので、高田先生はこのイベントで目指すべきゴールを最初に伝えました。
「最終的には高校生、大学生の先生たちと試合をしてもらいます」
その言葉に息を呑んでいるのはおそらく初参加の子供たち。何度かDKCを経験している子たちはニコニコしています。さあ、どうなるんでしょうか?

イベントは向井亜紀先生考案のお掃除体操でスタートです。音楽に合わせて「♪カーテン開けて、窓開けて」とお掃除の要領でカラダをリズミカルに動かすことで、筋肉や関節をほぐしてケガを予防するという狙いがあります。壇上の向井先生のダンスに合わせて、初めての子供たちもすぐに動きを真似て取り組んでいます。「学ぶこととは真似ること」とよく言いますが、視覚で感知した動作を自分がすぐに真似てみるため頭脳の活性化にも効果を発揮します。

続いて、ダッシュでは瞬発力を鍛えます。マットの上には裸足で上がるため、足の指でしっかりとマットをグリップする必要があります。じつはこれ、どんなスポーツにも共通して必要な力なのです。もちろんレスリングでもしっかり踏ん張ってタックルするためには足のグリップ力は必要です。さらにマットの上を雑巾がけで駆け抜ける練習が続きます。濡れた雑巾を両手で抑え、足は全力疾走。バランスと体幹の力を同時に鍛えるため、雑巾がけをやっている小学校は徒競走の成績もいいという実例もあるそうです。転んだりしながらも、真剣な表情で雑巾がけをする子供たちの姿はとてもかわいらしいです。

そんな子供たちを見つめる大人たちにも同じことができるのか? 大人が真剣に雑巾がけをやるのはどうなるか? ということで高田先生と向井先生からDKCの大人スタッフに突然の雑巾がけ指名が下りました。「頑張れー」という子供たちの声援を受けてスタートするものの、息も絶え絶えになりながら、足がもつれる大人たち。子供たちは凄いことをやってるんだということを大人がカラダで思い知る瞬間です。DKCでは保護者の皆様に「なんであの時できなかったの?」「あの時、ああすればよかったのに!」というような、いわゆる“子供へのダメ出し”はしないでくださいとお願いしています。なぜなら、この雑巾がけを見れば分かるように、大人がやろうと思ってもできないことに子供たちは挑戦しているからです。

トレーニングは続きます。クマ歩きという動物のような両手両足を使った歩行や、天井につく勢いで高く飛ぶカエル跳びジャンプにも挑戦します。これも全身の筋肉を使うトレーニングでかなりハードな内容です。ここで一旦、水分補給の休憩が入ります。参加者全員にスポーツドリンクが手渡されます。

ここからは二人一組で行うトレーニングです。すべての運動の後に、「ヤッター!」とガッツポーズをして「イェーイ!」とお互いハイタッチを交わすルーティンが追加されます。これはまず、お互いを称えることによって自己肯定感を芽生えさせること、そして恥ずかしいという気持ちの殻を破ることでキッズたちから最大限のパフォーマンスを引き出すことが目的です。

相手の股をくぐる運動は、レスリングの必須動作でタックルにも似た動きで低く素早い動きが身につきます。続けて、しゃがんだ状態から相手と交互にジャンプを繰り返す運動で筋持久力を鍛えます。これが終わると全員がバタッとマットに倒れ込むほど、地味ゆえにきついトレーニングです。最後はタオルを使った綱引き。これには高田先生も参加してキッズたちの挑戦を片手(左手)で受け続けていました。もちろん、子供は両手で全体重をかけて引っ張りますが、「ほら、どうした。もっと引っ張れ!」と笑顔の高田先生。同じことをやる他の大人のスタッフはフラフラになってますが、さすが高田先生です。「こんなにパワーを出すなんて、別府のみんなにビックリしてます」と向井先生も舌を巻くほどエンジンがかかってきたキッズたち。

休憩を挟んで本格的にレスリングの練習がスタートします。まずは正しい構えを学ぶところから。足を肩幅に広げて、手は膝の上。右足を一歩前に出して、手は顔の前へ。これでレスリングの構えが完成です。重要ななおは足の幅で広すぎても転びやすく、狭すぎても転びやすくなります。バランスを保って重心を低くすることが肝心です。正しい構えならどんなに押されても倒れません。では女性だとどうなんでしょう? ということで試しに石郷先生が構えて、高田先生が押すと、なんと石郷先生はバック転を5回転してレスリングの構えで見事に着地! これは石郷先生が器械体操出身の先生だからできたこと。でもキッズたちは目を丸くして驚いていました。

続いては正しいタックルのフォームを学びます。ほっぺたを相手の腰に当てて、膝の裏をハグ、胸で相手に体当たりという一連の動作で相手を倒します。最初は怖がっていた子供たちもすぐにマスターしてしまいます。日本文理高校・大学のレスリング部の先生たちが、子供たちのやる気を引き出しながら、「上手だよ」としっかり褒めて伸ばす指導をしてくださったおかげでしょう。続いて大人の両足と腰に付けたソックスバンドを取るというスピード強化のトレーニングを挟んでから、いよいよメインイベント「大人との試合」です。

試合のルールは公式試合と同じ、相手の両肩を1秒間マットにつけてフォール勝ちすることです。レスリングの練習を始めてから40分、イベント開始から2時間でキッズたちは果たして大人に勝てるのでしょうか? そしてどれだけ成長したのでしょうか? 試合開始の笛の合図とともに、キッズたちが大人にタックルで襲いかかります。習ったばかりのタックルで大人たちを倒すと、必死で両肩を抑えつけます。必死の抵抗も虚しく大人が力尽きてフォール負け。そんな場面があちこちで繰り広げられました。ほとんどの子供たちがレスリング未経験にもかかわらず、集中して全力で取り組んだ結果がちゃんと出ることを経験するのです。これに勝る経験はないでしょう。

「みんな、先生に勝てた?」と向井先生が聞くと全員が一斉に挙手! 「凄いよね」と高田先生も目を細めています。充実した表情の子供たちと記念撮影を行ない(この写真はアンケートにご回答頂いた方にお送りしています)整理体操で締め。高田先生からは「キミたちの年代にとっては勉強ももちろん大事だけど、仲間と一緒に外で元気に遊んで、家に帰ったらおいしいご飯を食べて、お風呂に入って最高の睡眠を取ること。その毎日の繰り返しが強いカラダと脳を作ってくれます。実感はないと思うけど、一日のうちで少しでもそういう時間を作ってください」とメッセージが伝えられました。DKCはこの高田先生の理念を全国のキッズに伝え続けていきたいと思います。

イベントの最後に「何か言いたいことはある?」と聞かれたキッズたちは、思い思いに手を挙げて感想を述べました。
「今日は忘れられない一日になりました」
「タックルが前回参加したときよりうまくなったのでよかった」
「レスリングがわかったこと、たくさん学べたことがよかったです」
「最初は自信がなくてドキドキしたけど、最後は自信がついて楽しくなってよかったです」
「初めてだったけどタックルがうまくできてよったです」
「いろんな技ができて楽しかったです」
「先生に勝って嬉しかったです」
「楽しくてあっという間でした」
大人たちが聞きたいと思っていた感想が次々と飛び出して、レスリング冥利に尽きる一日となりました。向井先生も思わず高田先生と「ヤッター! イェーイ!」とハイタッチ! 日本文理のひらい先生は「楽しかったですか? 僕たちも楽しかったです」といい笑顔を見せてくれました。

午前と午後のイベントを無事に終え、DKC別府大会は幕を閉じました。次回のDKCは10月22日、岩手県宮古市で開催されます。