イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2019年04月01日

『第97回DKCinさいたま』

【日時】2018年2月10日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】埼玉・さいたま市立桜木小学校
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》85人
《小学校1年生~2年生のクラス》77人

高田道場が主催する第97回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、埼玉県で12回目、桜木小学校では6回目の開催となりました。今回も名将・野口篤史監督率いる埼玉栄中学・高等学校レスリング部の生徒たちとその父兄の皆様による手厚いサポートをいただき、会場設営からキッズへのレスリング指導までお手伝いをいただき、無事に開催することができました。DKC開催にあたり多大なるご尽力をいただいております各社の皆様、関係者の皆様にはこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。

「今日は真冬の寒い中ではありますが、ダイヤモンドのように一生懸命皆さんを磨きたいと思います」と向井亜紀先生は集まったキッズたちの前で挨拶します。地元・大宮で育った向かいにとって、埼玉でのDKCは地元に帰ってきたような感覚で「今日は親戚のおばちゃん化することにしました!」と笑顔を見せます。

今回の参加者はレスリング経験者はあまりおらず、みんな横一線でのスタートとなりました。そのキッズたちのやる気を引き出して身体を動かす楽しさを教えてくださったのが埼玉栄高校レスリング部の皆さんでした。野口監督は「皆さんと一緒にレスリングの楽しさを味わいながら、一緒に汗をかいていきたいと思います。よろしくお願いします」と挨拶しました。普段はレスリングを教わる立場の生徒たちが、この日は初心者の小学生たちにレスリングの基本を教える立場。普段とは異なる立場に立つことで新たな発見があるということで、毎年有志のボランティアが参加してくださっています。ケガをしないように安全に、それでいて全力で楽しめるように、常に考えながら指導をしていただきました。

高田延彦先生は「このイベントは、みんなのやる気を感じたら3時間くらい。やる気がないなと感じたら、このお話だけでおしまいにします」とキッズたちに揺さぶりをかけながらニヤリとします。「つまんない時間は長く感じるもの。楽しい時間はあっという間に過ぎていく。そういう最高の時間をみんなで作りましょう」と呼びかけた。

DKCではおなじみの2つの約束が、高田先生とキッズたちの間でかわされます。「大きな声でお返事をすること」これに大きな声でキッズたちは答えました。続いて「これからいろんな運動をします。へたっぴでもいいから、全力でやってください。力いっぱいやりましょう。ジャンプするときは天井に頭をぶつけて頭にタンコブを2つくらい作ること!」ユーモアあふれる高田先生の言葉に、キッズたちはからは笑い声が漏れます。

冷え込む体育館内にはストーブが設置されていましたが、イベントが始まるとキッズたちは寒さを吹き飛ばすようなアグレッシブさを発揮します。

向井亜紀先生がゴキゲンな音楽にのって体操を踊る「おそうじ体操」でスタート。窓を拭いたり、ホウキで掃き掃除をしたり、生活の中にある動作で身体を伸ばしてウォーミングアップする体操です。

裸足でマット上を往復ダッシュする運動では、走りに元気を感じられなかったのか、高田先生が「埼玉の子は足が遅いのかな? 遠慮してないか?」と厳しい言葉をぶつけます。それに触発されたキッズたちは、すぐに見違えるような走りを見せてくれました。とくに往復で、切り返すポイントでの動作が格段にスピードアップしました。

最近のDKCではずっと採用している雑巾がけは、足腰と体幹の強化に効果があることからレスリングの強化にも最適と言われています。学校でもやっている動作なので、誰もがすんなりとやっていました。続くカエル跳びジャンプは、高く遠くへジャンプするというもの。高田道場・中野先生のレクチャーを見て、真似をしてみますが、早く前へ進もうとして、形が崩れてしまう子が続出。高田先生からは「競争じゃないよ」としっかり飛ぶように指導が入りました。するとすぐにフォームを矯正して、正しく飛びようになるキッズたち。スピーディーな吸収力は見事です。


水分補給のインターバルを挟んでから、2人1組の運動が始まります。ここでは運動が終わったら、パートナーとお互いの健闘を称えるように「ヤッター、イェーイ!」とハイタッチを交わします。高田先生の音頭で、全員で「ヤッター! イェーイ!」の練習。さらに会場に来ていた保護者の方2名をマット上にお呼びして、「ヤッター! イェーイ!」とハグ! 全く見ず知らずのお父さん同士が羞恥心を乗り越えて披露した雄叫びに、キッズたちも拍手を送りました。「こういうことをやればいいのか」と一発で伝わったはず。

高く掲げた手とつま先に交互にタッチするスクワット運動、左右のサイドステップ運動、しゃがんだ状態から交互にジャンプする運動が続きます。高田先生からは「簡単な運動だから全力でやることで身体も骨も脳も強くなります」と檄が飛びます。最後の交互ジャンプはかなりハードな運動でキッズたちは途中からヘロヘロになっています。「ダラダラやってたらもう1回プラスだよ」と厳しい声が飛びますが、学校の体育の授業よりも激しい運動を行っているため、キッズたちも疲労が色濃く、高田先生の「はい、もう1回!」の容赦ない声には「えーっ!?」という声も飛び出しました。

ここで高田先生も参加してタオルを使った綱引きです。先生たちに本気で挑むキッズたち。教えられたとおりに、重心を低くして背筋を使って一気に引くと、大人もタジタジとなるほどのパワーを発揮します。高田先生は左腕一本でキッズたちの挑戦を受けていましたが、その他の大人は綱引きが終わる頃にはヘロヘロ状態で、次から次へと挑戦してくるキッズたちと勝負していた姿が印象的でした。

再び水分補給の休憩を挟んでから本格的なレスリングのトレーニングです。

最初に教わるのは正しい構えから。正しいスタンス、正しい構えで、バランスよく立つことであらゆる角度からの衝撃に耐えられるようになります。その構えから相手の腰めがけて自分の頬を付け、膝の後ろに手を回して引きつけます。最後は胸のあたりから力を込めて相手を押していきます。高田道場の先生たちと、埼玉栄の先生たちが一緒にキッズたちを指導していきます。

先生たちに力強くぶつかるタックルの練習では、キッズたちは先生の腰めがけて突っ込んでいきます。このとき「お願いします」「ありがとうございました」の挨拶は徹底されており、必ず組み合う前と組み合った後に握手で挨拶します。

最後はお待ちかねの先生との試合の時間です。両肩を1秒マットにつければフォール勝ちできるとあって、キッズたちは張り切って先生に挑戦します。楽しそうに力試しをするキッズたちの大半は、これまでコンタクトスポーツを体験したことがない子たち。これまでの運動で鍛えた全身の力を使ってタックルを仕掛けていきます。

倒した後も試合は続き、懸命に肩をつけてフォールを奪おうとするキッズたちの懸命な姿をマット上のあちこちで見られました。高田先生もキッズたちの挑戦に胸を貸し、何人ものキッズたちの相手をし笑顔を見せながら、「ほら、もっと強く!」と声をかけます。キッズたちはモチベーションを上手に刺激してあげることで、さらに前向きに練習に取り組むようになります。

そうしているうちに、あっという間に試合の時間は終わります。20回以上も先生に勝ったという猛者も何人かいました。

「今日はみんなが約束を守ってくれて、いい時間にするために頑張ってくれました。みんなが頑張ったから、先生たちはみんなに引っ張られて楽しいな、来てよかったなと思えるようになりました」

最後の挨拶で高田先生は埼玉のキッズの頑張りを称えました。

「中学生や高校生の先生が一生懸命教えてくれてありがたかった」
「ちゃんと学べて嬉しかった」
「違う学年の人やいろんな人と学べてよかったです」
「中学生の先生や高校生の先生がいろんなことを教えてくれて、知らないこともあったけど学べて良かったなと思いました」

全員の前で感想を発表する小学生のキッズたちは、堂々と自分の考えを発表します。嬉しい感想に高田先生と向井先生も「ヤッター! イェーイ」とハイタッチ。喜びの源泉は、もちろんDKCが狙い通りの届き方でキッズたちに刺激を与えられたことです。

高田先生は会場を見回し「家族の皆さんにお伝えしたいのは、これだけの人数の子供たちをフォローするには、大勢の黄色いシャツを来た先生が必要なんです。地元の学生さんたちが、指導者の先生を筆頭にご協力をいただいているから成立しているんだということです。子供たちがあまり待たずに、どんどん動くことができる。学生さんたちがキッズたちの力や笑顔や思いを引き出してくれるんです」と感謝の気持ちを込めて説明します。

マイクを託された埼玉栄の学生さんからも「自分たちは普段、野口監督のご指導のもと埼玉栄のレスリングを学ばせていただいているのですが、今日は皆さんのパワーを感じました。明日からの練習も皆さんのパワーに負けないように頑張りたいと思います」と感謝の言葉がキッズたちに送られました。

次回のDKCは4月14日、福島県いわき市で開催します。