イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2017年04月17日

3年連続3回目!パラリンピック選手もゲストで!『第82回DKC in東村山』

【日時】2017年3月12日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】東京・東村山市立八坂小学校体育館
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》86人
《小学校1年生~2年生のクラス》84人

高田道場が主催する第82回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、東村山市では3年連続3回目の開催、八坂小学校では初めての開催となりました。行政からも渡辺尚・東村山市長が駆けつけ、地元の企業からの熱烈なサポートをいただき、東村山が一丸となってDKCを支えていただいております。

全日本選手権を何度も制した小島豪臣コーチ率いる法政大学レスリング部から男女の大学生がボランティアでコーチを引き受けてくださいました。さらに、DKCではすっかりおなじみの浅井企画所属のお笑い芸人・森一弥先生。さらに午後の時間帯には森先生の芸人仲間で、レスリングインターハイ出場選手のアマレス兄(という芸名)と、レスリング埼玉県大会4人中2位のアマレス太郎によるお笑いコンビ・アマレス兄弟も初参加、得意のアマレスでキッズたちを指導してくださいました。

そしてもう一人、初めてのゲストがDKCに駆けつけてくれました。パラリンピック・男子走り高跳びでシドニー五輪以来、5大会連続入賞を果たしている鈴木徹選手です。義足をつけて披露したデモンストレーションでは背面跳びで140センチの驚異的な跳躍を披露して、会場のキッズたちも感嘆の声を挙げていました。鈴木選手も子供たちの前で障害者スポーツをPRできたことに手応えを感じていたようです。初めてのレスリング指導にも挑戦してくださいました。

まずは、今回もいつものように向井亜紀先生考案の「おそうじ体操」で身体をほぐします。家をお掃除する動きがそのまま体操になっているので、初見の子供たちも簡単にできるおもしろい体操です。

続いてマットの上ではダッシュ、雑巾がけ、クマ歩き、カエル跳びといった基礎運動が続けられます。山形出身で社会人2年目の中野先生がお手本を見せて、直ぐその通りに同じ動きができる子供たちの吸収の速さは見事と言う他ありません。同じ動きを大人にやってもらうと、子供のようにうまくできません。子供の無限の才能を感じます。向井先生は「子供たちは大人にはできないことをやっています。だから、今日は子供たちにダメ出しをするのではなくて、めいっぱい褒めてあげてください。約束してくださいね」と保護者に語りかけます。

水分補給の休憩を挟んだ後は、マット運動の時間です。2人1組のマット運動を行ないました。高田延彦先生からは「この運動をやるのは、黄色いTシャツを着ている指導者の先生と最後に試合をしてもらうためです」とキッズたちにとって衝撃的なお知らせが行われました。「ええ~っ」と驚きの声を挙げるキッズたちでしたが、そんな無茶な試合でもキッズたちが勝てるための技術を教えるのが、DKCの凄いところです。

さっそく、伸ばした手の先と足の爪先をスクワットしながら触る運動、サイドステップで左右に動く円運動、思い切り交互にジャンプする運動、タオルを使った綱引きなどレスリングに必要な動きを重点的にトレーニングしました。綱引きで凄まじい身体能力を披露した参加者の「シモン」くんは高田先生とデモンストレーションを行ない、「いいねぇ。運動やってないのはもったいないよ」とお墨付きをもらいました。

この運動の後から、お互いを称えるように「ヤッター!(ガッツポーズ)イェーイ!(ハイタッチ)」と恥ずかしがらずにお互いを称える動きも取り入れるようになります。恥ずかしがらずにやるのがポイントということで、高田先生と法政大学の小島先生が「ヤッター!(ガッツポーズ)イェーイ!(ハイタッチ)」。さらにハグまで披露して、向井先生から「突き抜けてますね」とお褒めの言葉(?)をもらっていました。

再び水分補給の休憩を挟んでからは、レスリングのテクニックがレクチャーされます。

まずは構え。あらゆるスポーツで基礎となる構えは重要です。重要なのは足の幅で、広すぎたり、狭すぎたりすると簡単に倒れてしまいます。逆に正しい足幅だとどんなに押されても倒れない強さを発揮できます。名門・鹿屋体育大学で器械体操をやっていた石郷先生は構えの状態で押されて、そのままバック転4連発を決める驚異的なムーブを披露! キッズたちの歓声を集めていました。

続いてはタックルです。相手の腰をめがけて、ほっぺたをくっつける。ヒザの裏をハグしたら、体当たりで相手に全体重をかけて倒します。このときにハグを離さないようにして相手をしっかり押さえ込むこと。1秒間相手の両肩をマットにつけることができれば相手に勝つことができるというレスリングのルールにのっとった正しい技術です。足と尻に付けたテープを奪ってスピードアップを図る練習も行われました。高田先生は「言ったことがすぐにできている。これはすごいことだよ」と成長のスピードに舌を巻いていました。

試合になると臆することなくアグレッシブに大人にチャレンジしていく子がとても多いことに驚かされました。スピーディーにタックルに入り、あっという間に倒してフォールを狙いに行きます。あっちこっちから「強いな!」「ナイスタックル!」という声が聞こえます。試合が終わり、先生に勝てた人? と聞いてみると全員が挙手しました。自信が増えたと思う人? という質問にも大勢の手が挙がりました。

「ここに来た時、大人に勝てると思った? 勝ちたいなと思った考えを自分の身体を使って実現しました。自分の中にあるパワーを信じて、自分の可能性と未来を楽しみにして、パワーを膨らませていってください。強くなったら、その分優しくなってください。そして、勇気の出し方を忘れちゃった時は今日のことを思い出してください」と優しく語りかける向井先生。

続いて高田先生は「みんな最高の集中力だね。あっという間だったよね? 黄色いシャツを着ている大人は、みんなに会えてよかったと思ってます」と東村山の子供たちに語りかけます。さらに「これだけは言っておきたいということがある子は?」と挙手を求めると、一斉に手が挙がった。「楽しかった」「また早く(レスリングを)やりたい」「また今度もやりたい」「時間を短く感じた」「今度は先生全員に勝ちたい」と胸いっぱいの感想が飛び出してきました。

学生のコーチも「子供たちが楽しんでる姿に僕らも元気をもらいました」と笑顔で応えます。アマレス兄弟も「今日はネタに使えそうな動きの宝庫でした。今日の体験をこれからの活動に活かしていきたいと思います」と初参戦の感想を語ったアマレス兄。一方、「レスリングの動きで今日の気持ちを表現したいと思います」とヘッドスプリングを披露したアマレス太郎。パラリンピアンの鈴木徹選手も「最後の試合は強い気持ちで向かってきてくれました。強い気持ちを普段の学校生活や他のスポーツにも是非活かしてください」とメッセージを送りました。

さまざまなゲストも駆けつけて、いつにもまして賑やかだったDKC。次回は4月30日、福岡県で開催となります。