イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2019年09月26日

四国初上陸! 『DKC in 愛媛』

【日時】2019年9月7日(土) 14:00~17:00
【場所】愛媛県松山市・愛媛県武道館 剣道場
【参加人数】 133名

前回、100回大会の節目を越えた高田道場主催のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)。新たなるステージへの第1歩を踏み出す101回目の大会は、これまでDKCが開催されたことのなかった四国への初上陸となりました。

プロ野球も開催される有名な坊ちゃんスタジアムの目の前にそびえる、愛媛県松山市が誇る巨大な愛媛県武道館で行われた今回の大会。初めての四国の地での開催にドキドキワクワクなDKCスタッフを出迎えてくれたのは、地元愛媛県の今治工業高校、北条高校、八幡浜工業高校、3校のレスリング部の監督、選手、関係者の皆さん、そして選手たちの父母の皆さんでした。今までにないほど大人数で午前中からマット敷きなどの会場設営をお手伝いいただき、イベント中も、3校のレスリング部の選手たちが子どもたちにも負けないぐらい元気一杯のエネルギーで先生役を務めてくださいました。

今大会の開催にあたっては、香川県高松市に本社を構えるあなぶきグループが推進する、子どもたちのための取り組み「あなぶキッズプロジェクト」に全面的にサポートをしていただきました。冒頭には、穴吹興産株式会社の柴田常務取締役から「当社の『あなぶキッズプロジェクト』は、子どもたちが元気になれば家族みんなが元気になる、家族が元気になれば地域全体が元気になる、というコンセプトのもと、子供たちが元気になる様々なスポーツのイベントをサポートしています。このDKCも本当に素晴らしいイベントですから、みなさん存分に楽しんで帰ってください」と応援のメッセージが。さらに、あなぶきグループの公認キャラクター「あーなちゃん」も会場に駆けつけて、イベント前や休憩時間に子どもたちと大いに触れあってくれました。

そして、会場にはもう一人の大物ゲストの姿が。サッカーのワールドカップで二度の日本代表監督を務め、現在は四国サッカーリーグに所属するFC今治のオーナーでもある岡田武史さんが、子供たちの応援のために会場を訪れてくださいました。「今日は髙田延彦さんがみんなを思いっきり遊ばせるっていうから、どうやって遊ばせるのか、勉強のために来ました」と子どもたちに語りかけてくれた岡田さんの登場には、子どもたちよりも観覧席のお父さんたちのほうが盛り上がっているようにも見えました。

そんな準備万端整ったイベントのはじまりに、まずは向井亜紀先生からの挨拶。「ずっと来たかった四国で初めてDKCを開催できて、すっごく嬉しいです。しかも、今日はものすごく高い出席率なんですよ。このイベントは、学校の体育とは違いますから、『真面目にやってください』とは言いません。だけどその代わり、みんなの本気を出してほしいんです。お父さんやお母さんに連れられて仕方なく来た子も多いと思うけど、そんな自分がどこまで頑張れるか? 今日一日で、みんなが持っている自分へのイメージを変えてみてください」

続いて、つい数日前に負傷したという膝のサポーターも痛々しい髙田延彦先生からも一言。
「これから3時間という長い時間、みなさんと一緒の時間を過ごします。その3時間があっという間で、終わったときに『もっとやりたかったな』と思えたとしたら、それは今日、君たちが体のトレーニングだけではなく、心にもたくさんの栄養を受け取った証拠になるはずだから。そんな3時間になるように、『元気よく挨拶すること』『下手でもいいから一生懸命やること』という2つの約束を守りながら、みんなで素敵な時間を作りましょう」

そうしたお話の時間の中、我々スタッフが驚かされたのが、愛媛の子どもたちの集中力の高さ。今年度からのDKCは、それまでの二部制から一部制へと変更となり、この日も1年生から6年生までが一斉にマットに集まるという状況。いつもならばこの冒頭の挨拶の時間には、気の散りはじめた子どもたちがそわそわしてくるはずなのですが、愛媛の子どもたちは全員が髙田先生、向井先生らの話にじっと耳を傾けて、立ち上がったりよそ見をしたりする子が見当たりません。これは今日のイベントはかなり期待できるのでは? という空気の中、いよいよ体を動かしてのトレーニングがスタートしました。

はじめは準備体操として、向井先生の考案したお掃除体操から。音楽に乗せて、「♪カーテン開けて、窓開けて」とお掃除の要領でダンスをしながら、全身をくまなく動かします。続いては3面分用意されたマットを使っての運動。ダッシュ、雑巾がけ、熊歩きなどの運動を、広いマットの上で何度も繰り返します。どの運動も子供たちの基礎的な体力を底上げするのに役立つ運動ばかり。なかでも雑巾がけなどは、ある学校でこれを体育の授業に取り入れたところ、生徒たちの徒競走のタイムが向上したとも言われています。

こうした運動の中で大事な約束は、自分の順番が来たときに「次の人!」と呼ばれたら、一番大きな声で「はーい!」と返事をすること。最初から集中力の高かった愛媛の子どもたちは、この大きな声での返事も100点満点の声を出せる子どもばかり。さらには、どの運動でも抜群の身体能力を見せてくれる子どもの姿がいくつも見られ、会場全体のボルテージも徐々に上がってきます。

熱中症対策も兼ねた給水&トイレ休憩を挟んで、ここからは3つの班に分かれての運動となりますが、その前に髙田先生から「今日の目標についての重大な発表」がありました。それは「今日、この後もいろいろな運動をやってもらいますが、その成果を試すため、一番最後に黄色いTシャツを着た先生たちとレスリングの試合をしてもらいます!」。その最後の試合に向けて、ここからはレスリングの基礎的な動きを取り入れた運動を行っていきます。

まずは二人一組になっての補強運動となりますが、ここでDKCの名物のひとつである大切なお約束が。それは、二人一組での運動のときには、運動が終わった後に必ず「ヤッター! イエーイ!」と大きな声を出しながらハイタッチしてお互いを讃え合うというお約束。「ここで大事なことは、絶対に照れちゃダメ。だから、大人の照れ屋さんの代表みたいな二人に、ここでお手本を見せてもらいましょう」と向井先生。

そこでお手本役に選ばれたのが髙田先生、そして、マットの側でずっと子どもたちを見守っていた岡田武史オーナー。照れくさそうな顔でマットの中央に歩み出た御年57歳と63歳のお二人でしたが、合図の笛が鳴ると「ヤッター! イエーイ!」と絶叫、そして力強くハグ。会場は大盛り上がり。岡田オーナーも「恥ずかしいっていうのは、人の目を気にしてるから恥ずかしいんだよね。僕なんて、これまで何度も叩かれて、ボロカスに言われまくってきたから、もう人の目なんて気にならなくなってきてるから。みんなも人の目を気にせず、思いっきりやってみよう」と、子どもたちにハッパをかけてくれました。

二人一組でのいくつかの運動を元気よくこなした後は、再び水分補給の休憩を挟んで、ここから本格的なレスリングのトレーニングが始まります。黄色いTシャツの先生を相手にしたタオル綱引き、そしてレスリングの構えの練習、さらには先生に向けてのタックルの練習。この頃になると、パワフルすぎる愛媛の子どもたちの相手をしている先生たちは全員、Tシャツがびしょ濡れになるほど汗まみれです。向井先生が「みんな、すごいことやっちゃってるよ。はじめは恥ずかしがってた子も、だんだん積極的になってきて、先生に『お願いします!』って言いにいってたよ」と褒め称えると、髙田先生も「毎日、厳しい練習してる高校生の先生たちも、みんなグッタリしちゃってるよ」と嬉しそうです。

そうして一通りのレスリングの基礎を覚えた子どもたちが、いよいよ先生たちとの試合に挑む時間がやってきました。試合のルールは、相手をタックルで倒し、そしてその両肩をマットに1秒間押しつけたら勝ちという、正式なレスリングの試合ルールと同じ。3校のレスリング部員が集まってくれた今回のDKCは、いつもより先生の人数が多く、対戦相手が不足することはありません。どの子も、休む間もないほどに先生たちに挑んでは、一回りも二回りも大きな先生たちを次々とマットに転がしていきます。つい2時間前にはルールも知らなかったレスリングという競技に、みんなすっかり夢中になっていました。

名勝負がいくつも生まれた試合タイムで、この日のプログラムはすべて終了。その後は班ごとに集まっての記念撮影、そして整理体操をして、全員がマットの中央に集まって、最後のお話の時間となります。向井先生、髙田先生それぞれから子どもたちへのメッセージが贈られました。

向井先生
「ほとんどの子は、初めて来たこの場所で、初めて会う先生たちと、初めてレスリングをしました。こんなに頑張れるって、すごくない? 今のみんなの顔は、始まる前と全然変わってます。自分のパワーを知って、自信に満ちあふれてます。今日、せっかく強くなって、せっかく素敵になったので、絶対に優しい人になってくださいね。みんなは心も強くなってるから。もしも将来、自信を失くしたときには、今日のことを必ず思い出してくださいね。応援してます」

髙田先生
「今日、ふざけて運動してるような子は一人もいなかった。そして、ビックリしたのは、休憩時間が終わったあとの整列がすごく早かったし、整列した後、私語もほとんど聞こえてこなかった。本当にすごいよ、最初から最後までこの静寂、集中力。これまでやってきた101回の中でも、トップクラスの子どもたちでした。今日は、こうやって愛媛のみんなが作ってくれた素晴らしい時間を、黄色いTシャツを来た我々のほうが味わうことができたことを、逆にみんなに感謝したいと思います。ありがとうございました。本当に嬉しかった」

向井先生の「絶対にまた、四国に、愛媛に戻ってきたい!」という言葉の通り、いつかまたこの地で子どもたちに会えることを、我々スタッフ一同も心待ちにしたいと思います。

次回のDKCは、2019年10月6日(日) 宮城県大崎市で開催します。