イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2018年11月10日

雨ニモマケズ! 『第93回DKC in 広島』

【日時】2018年9月9日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】広島市・AICJ中学・高等学校 体育館
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》134人
《小学校1年生~2年生のクラス》119人

高田道場が主催する第93回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、今年で5回目となる広島での開催。今回は地元の広島レスリングクラブ、東広島レスリングクラブの皆様、さらには広島国際高校、三次高校、賀茂高校のレスリング部の選手や監督・コーチの皆様に、前日のマット設営などの準備から、当日のレスリングの指導、終了後の撤収までお手伝いをいただきました。多大なるご尽力をいただいた各社の皆様、関係者の皆様には、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。

この日は朝から大雨警報が発令されるほどの空模様。7月に西日本を襲った記録的な豪雨の爪痕も残る広島ゆえ、この雨の中、一体どれだけのキッズたちが来てくれるのかが心配されましたが、集合時間になると、そんな大人たちの心配も、グズついた空模様すらも吹き飛ばしてくれるほど元気なキッズたちが、次々と会場に集まってくれました。

イベントはまず、向井亜紀先生、高田延彦先生のお話から始まります。「DKCは体を動かすイベントであり、話を聞くイベントでもあります」という向井先生の言葉を、まさにじっと聞き入るキッズたち。今回はほとんどがDKC初参加の子でしたが、中には以前にも参加してくれた子や、キッズ・レスリング経験者もいました。そんなキッズたちに向けた「DKCにはパワハラはありません(笑)。髪の毛を引っ張ったり、叩いたり、怖いことはありません」という髙田さんのジョークには、子供たちよりも周りで見ている大人たちのほうが爆笑でした。

続いて髙田先生から、「みんなには最後にレスリングの試合をしてもらいます。そして、その試合には必ず勝ってください」という難しい最終目標とともに、「大きな声で挨拶をすること」「下手でもいいから、負けてもいいから全力でやること」という、2つの大きな約束も掲げられました。それを聞いて少し不安気な表情を浮かべるキッズたち。果たしてみんなこの目標を達成できるのでしょうか?

そして、いよいよ本番がスタート。まずは向井亜紀先生考案のおそうじ体操で汗を流します。斉藤和義さんの名曲「歩いて帰ろう」に乗せてお掃除の動作を取り入れた体操です。これにはキッズたちのお父さん、お母さんも参加。子供にとってはへっちゃらな体操ですが、大人たちはこれだけですでに息が上がってしまいました。

そこからトレーニング・タイムに突入。まずは裸足でマットの上を全力で駆け抜けるダッシュ。自分の順番が来たときの大きな声での返事の仕方や、全力で走るお手本を見せてくれたのは、じゃがりこを食べてたら歯が欠けてしまったという髙田道場の中野茂先生。そのお手本通りにダッシュするキッズたちを、高田先生が「広島なんだから、カープの選手に負けないぐらいのスピードで走らないと!」と盛り上げます。

次はマットの上を全力で雑巾がけ。これを毎日やっている子は50m走の記録が伸びたという話もあります。最近では家庭や学校で雑巾がけをする機会も減ってきているので、最初は上手くできないキッズもいましたが、何度か繰り返しているうちにに、みんなスムーズにできるようになりました。そこからは、熊歩き、カエルジャンプと続きます。こうした動物を真似する運動は、普段あまり使わない筋肉を有効活用できるようにするトレーニング方法です。

ここで水分補給の時間。気温はそれほどではありませんが、雨天のため湿度が非常に高く、ジメジメとしていた体育館の中。みんな嬉しそうに提供されたスポーツドリンクをがぶ飲みしていました。

水分補給が終わってからはトレーニングの後半戦。ここからは二人一組のペアでのトレーニングが始まります。このペアでのトレーニングでは、ひとつひとつのメニューが終わる度に、二人で「ヤッター! イエーイ!」と大きな声を出しながらハイタッチするのがお約束。このペアでのトレーニングは、スクワットの動きを使った上下タッチの運動や足ジャンケンを使った運動、交互にジャンプする運動などを行います。その様子を眺めていた高田先生は「最近見た中では一番レベルが高いね!」と、広島のキッズたちを大絶賛でした。

それが終わると、子供同士でのトレーニングは完了。ここからは、黄色いTシャツを着たレスリング部の高校生や大人の先生たちとの対決トレーニングが始まります。最初はタオルを使った綱引き。これもシンプルながらも体幹を使った大切なトレーニングで、まずは高田先生と向井先生がお手本として対決。そこで大きくて力の強い髙田先生にも勝てるコツを、向井先生がキッズたちに伝授すると、その教え通りにやってみたキッズたちは、自分より一回りも二回りも大きな先生に次々と勝ってしまいました。

2度目の水分補給タイムを挟んで、ここからはレスリングの基本動作である構えとタックルの練習。少しずつレベルが上がってきたメニューを前にして、先生たちの説明を聞くキッズたちの目にだんだんと真剣さが宿ってきました。その真剣さの賜物か、実際にタックルの練習をしてみると、思った以上にスキルの高いキッズが目立ちます。向井先生も「全体的に上手い子ばっかり」と驚いていました。

そして、そのスキルが発揮されるのが、最後に行われる先生たちとのレスリングの試合。最初に高田先生から掲げられた目標に向かう場面。相手をタックルで倒して、相手の肩を1秒間マットにつければ勝ちという、本物のレスリングと同じルール。キッズたちはそれぞれ10回以上の試合をこなし、そのなかで全員が先生たちに勝って目標を達成。

合計でも数十分のトレーニングしかしていないのに、飲み込みの早いキッズたちは、それでもちゃんとレスリングの形になっていました。みんな「私は10回勝った!」「僕は18回も勝った!」と、嬉しそうに話してくれました。「みんなのパワーがすごいから、先生たちのほうが疲れてきちゃったみたい」と、向井先生も大満足。

グループごとでの記念撮影のあとは、疲れた体をさらに追い込む、仕上げのサーキット・トレーニング。バタ足、ジャンプ、もも上げ、腕立て伏せという4種類の動きを1分間にランダムに繰り返す、非常にハードなトレーニング。ここでは再びお父さん、お母さんたちも参加しますが、クタクタのはずのキッズたちより、元気なはずの大人たちのほうが完全にバテていました。

イベント開始時には少し声の小さかった広島のキッズたちですが、お終いの整理体操のときには、最初と比べものにならないほどの大きな声が出ていました。向井先生の「自信がついた人?」という問いかけにも、ほとんど全員が元気よく手を挙げてくれました。

そして最後には高田先生から、DKCのテーマついて、キッズたちやお父さん、お母さんたちへのメッセージが。「こうやって体を動かして汗をかくことは、ときには辛くて苦しいけど、達成感を味わえる。そうすればお腹も空いて、ご飯もたくさん食べられて、夜もぐっすり寝られる。それを繰り返していければ、どんなことがあっても跳ね返せる強いお兄ちゃん、お姉ちゃんになれるはず。みんなにはそういう時間が必要なんだということを、みんなのお父さん、お母さんたちにも気づいてほしいから、僕らはDKCをやっているんです」

そうして無事に第93回目も終了したダイヤモンドキッズカレッジ。記念すべき100回目に向けてのラストスパートはまだまだ続いていきます。

次回のDKCは10月21日、岩手県宮古市で開催します。