イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2016年09月08日

4回目の温泉町別府で!『第77回DKCin別府』

【日時】2016年7月10日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:30~12:30
《小学校1年生~2年生のクラス》14:00~17:00
【場所】大分・別府市民体育館「べっぷアリーナ」
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》148人
《小学校1年生~2年生のクラス》153人

高田道場が主催する第77回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、4回目の開催となる大分県別府市で行われました。会場の別府市民体育館(通称・べっぷアリーナ)にはレスリングマットが4面設置され、午前と午後を合わせて300名以上の子供たちがレスリングで汗を流しました。ここ最近のDKCの中では最大規模のマット数で、キッズの応募人数も非常に多く、地元からDKCを盛り上げようという熱烈なサポート態勢の中、無事にイベントを開催することができました。

今回もべっぷアリーナ体育館の入り口には、高田延彦先生、向井亜紀先生、さらに高校レスリングで東京都第1位、ハワイ3位、さらに第15回全日本マスターズレスリング選手権大会41~46歳の部・3位入賞という輝かしい実績を誇るDKCではすっかりお馴染みのお笑い芸人・森一弥先生(浅井企画)の等身大パネルも設置され、イベントの告知はバッチリ。会場に入るだけで気分が盛り上がります。イベント開始前には地元・別府のゆるキャラ「べっぴょん」も登場、さらに長野恭紘・別府市長もDKCのTシャツ着用でキッズたちにご挨拶していただきました。

今年4月に発生した熊本地震で別府市は震度6弱を観測する揺れに見舞われ、べっぷアリーナも一時期は避難場所として使用されていました。準備段階では被害も小さくはない状況ではありましたが、DKCを開催することで地元を盛り上げて、子供たちを元気にすることが復興の一助となればという思いで開催を決定しました。被災された方もいらっしゃる中で万全の態勢でサポートしてくださいました地元の関係各位、スポンサー各社様には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。例年と同じく勝龍三郎監督率いる日本文理高校・大学のレスリング部の皆さんには会場の設営、キッズの指導といった縁の下の力持ちとしてイベントを支えていただきました。

運営側の熱気は子供たちにも伝播するのか、午前中の小学校高学年の子供たちも市長と一緒に「頑張るぞ!」と大きな声で気合を入れてイベントがスタートしました。まず、高田先生はキッズたちにこう語りかけます。

「みんなで『来てよかったな』と思える素敵な時間を作ろうよ。スタッフTシャツの背中にはいろんな会社の名前が書いてあります。こういう企業の協力があって、この時間があるんです。日本文理の学生さんたちがキミたちのために集まっている。キミたちのご両親もお休みの日にここまで連れて来てくれた。キミたちも少し不安を感じながら、休みの日にこの場所に来ている。なんとなく始まって、なんとなく終わって、なんとなく『つまんなかったな』と言うのだけはやめようよ。これからの3時間を『いい時間だった! また来たい』そう思える濃密な時間にしよう。キミたちが主役だからね」

キッズたちにはDKCをの基本である「大きな声で挨拶をすること」「下手っぴでもいいから全力でやること」2つを守るように約束するといよいよ運動の開始です。向井先生が考案したおそうじ体操で全員が身体をほぐします。べっぴょんと長野市長も参加して大盛り上がりです。続いてダッシュ、ぞうきんがけ、クマ歩き、今回から新たに導入された種目・アヒル歩きで心拍数を上げていきます。ぞうきんがけではマットの継ぎ目で前転をするというアレンジが加わり、いつもに比べると難易度は高め。アヒル歩きは足腰の強さが求められるので厳しいのではないかという心配をよそに、キッズたちは難なくやってのけてしまいました。そんな頼もしい姿に高田先生も「いいぞ、いいぞ」と目を細めてます。

水分補給の休憩を経て、次のブロックからは二人一組での運動が始まります。キッズたちは自分たちの殻を破るために、運動の直後に「ヤッター! イェ~イ!」という掛け声を出します。この日、そのお手本を披露したのが高田道場の新入社員・中野先生と日本文理大のナガセ先生。じつはこの二人は昨年度まで同じ山形商業高校レスリング部で汗を流した同級生だったのです。東京と大分で離れ離れになった仲間と、こうしてレスリングを通じて再会できるというのも素晴らしいですね。少し照れながら「ヤッター! イェ~イ!」を披露してくれました。「恥ずかしい気持ちに打ち勝つことが大事なんだ」と高田先生はこの儀式の重要性を分かりやすく説明してくれました。

ここではタックルの基礎動作となる相手の腰にほっぺたをくっつけてハグしてから股の下をくぐるというトレーニングが導入されました。初めての動作でも見ただけで体得してしまう、キッズたちの脳の柔らかさには感心させられます。綱引きではタックルの時に必要となる引く力を鍛えていきます。大勢の子供たちが、次々と先生にぶつかっていきます。体育の授業や友達同士ではありえないほどの強度のトレーニングでさらに汗を流していきます。

ここで高田先生からキッズたちに、この日のトレーニングの最終目標が発表されました。「先生とレスリングの試合をして勝ってもらいます」という発表に「ええっ!?」と驚くキッズたち。しかし、ここまでのトレーニングで徐々に自信が芽生えてきたので本気で嫌がっているキッズは一人もいません。ここから先のトレーニングで伝授されるのは、レスリングで先生に勝つための技術です。

正しい構えの重要性を説く際には森先生、渥美先生がスタンスの重要性についてデモンストレーションします。ここで器械体操出身の石郷先生は、なんとレスリングの構えから押された瞬間に連続バック転4回転を披露して喝采を浴びました。こうしてたまにビックリするようなネタを仕込むのもDKC流です。続いてタックルの練習、先生の足腰につけたソックスバンドを奪うスピードの強化運動をしたら、お待ちかねの試合の時間です。

「勝てそうなイメージをしたら、そのイメージ通りの未来を作っちゃえ!」という向井先生の声に背中を押されて、キッズたちは先生に全力で立ち向かいます。高田先生もキッズたちの目線で、胸を貸して一緒にトレーニングします。タックルで倒した後、両肩をつけて1秒間フォールするというレスリングのルールに則った形式ですが、キッズたちはここまで教わった技術を使って全力でぶつかっていきます。30分程度の練習でここまで強くなれるのかというほど、キッズたちの猛攻は凄まじいものです。最初は「いいぞ!」「もっと行け!」と励ましていた大人たちも、途中からヘロヘロです。

子供たちの進化を目の当たりにして「いやぁ、キッズたち凄いわ」と高田先生。「イメージを実現できた人、先生に勝てた人は手を挙げて!」向井先生の言葉に、目を輝かせたキッズたち全員が挙手しました。最後は全員で手を繋いでスクワット50回をやり遂げて全てのトレーニングは完了しました。

濃密な3時間を過ごした高田先生は「この時間はとても素晴らしい時間になったと実感しています。レスリングの構えぐらいから気持ちが前に向いてきて、楽しいという気持ちが伝わってきました。綱引きも強かったし、試合もすごかったよ! 一人も適当にやってる子がいない。魂が伝わってきたよ。こういう時間を積み重ねていけば、嫌なことや辛いことがあっても自分の気持を前向きにできるからね」とこの貴重な体験の意味を語りました。

来年の再会を約束してDKC別府大会は幕を閉じました。

次回のDKCは9月4日、神戸で開催されます。