イベントレポート

DIAMOND KIDS COLLEGE - ダイヤモンド・キッズ・カレッジ

2016年06月16日

福岡道場のすぐ近く!大楠小学校で『第75回DKCin福岡』

【日時】2016年5月1日(日)
《小学校3年生~6年生のクラス》9:00~11:30
《小学校1年生~2年生のクラス》13:00~15:30
【場所】福岡・大楠小学校
【参加人数】
《小学校3年生~6年生のクラス》103人
《小学校1年生~2年生のクラス》105人

高田道場が主催する第75回目のダイヤモンドキッズカレッジ(DKC)は、福岡市で8回目、大楠小学校では2回目の開催となりました。イベントの約2週間前に発生した平成28年熊本地震で熊本・大分の両県に大きな被害が出ました。今回のDKCは開催できるのか被害の状況を確認しながら、中止をすることも視野に入れて考えていましたが、DKCは子供たちのためのイベントです。自粛をすることが子供たちのためになるのか福岡のスタッフも交えて慎重に検討を重ね、現地からの「ぜひやってください」という声に背中を押され、無事に開催することができました。

DKCは東日本大震災発生後もずっと被災地に寄り添ってきました。今回の震災に対しても、イベント前日に福岡市内の天神ソラリアステージ前で高田道場のキッズたちとともに高田延彦、向井亜紀が街頭で募金の呼びかけを行ないました。DKC会場での募金とあわせて募金箱に集まった301,510円は、災害支援公益財団法人シビックフォース(https://www.civic-force.org/)を通じ、迅速に現地へ届けて頂きます。あらためまして今回の地震で被害に遭われた皆様には心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。

イベント開催にあたり地元の東鷹高校レスリング部の皆様にご協力いただきました。会場の設営からキッズの指導まできめ細かいサポートでイベントを支えていただき、とくにキッズへの指導は子供たちのやる気を大事にしながらレスリングの楽しさを共有する内容で、いつも以上に笑顔があふれた大会となりました。いつも万全の態勢でサポートしてくださいます地元の関係各位、スポンサー各社様、DKCを支えてくださり福岡やずやキッズクラブでも多大なるご協力をいただいております株式会社やずや様には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

今回参加したキッズの大半はレスリング未経験で、さらに「親に連れられてきた」という子も少なからずいました。少し不安げな子供たちに向井先生は「今日は自分の“思い切りの力”の出し方を皆さんに教えますね。自信にして持ち帰ってください」と優しく語りかけます。今回、初めてキッズたちに指導をしてくれた東鷹高校レスリング部のキャプテンは「今日は身体を動かして一緒にレスリングを楽しみましょう」と呼びかけます。福岡道場でキッズの頃からレスリングを学んだ子も指導者として参加してくれたり、キッズの父兄もボランティアで指導してくださいました。高田道場の地盤がしっかり根付いた福岡ならではの温かい雰囲気の中、イベントが始まりました。

最初は向井先生が考案した「おそうじ体操」で身体をほぐします。おそうじの動きを体操に取り入れたDKCオリジナルの体操です。続いてダッシュ、雑巾がけ、ケンケン、熊歩きと体幹を使いながら全速力で走る運動が続きます。コーチたちからは「いいぞ」「もっと早く!」「頑張れ」と檄が飛び出し、子供たちのモチベーションをさらに引き出します。すでにこの時点で学校の体育の授業を上回るほどの激しい運動をしているので、水分補給を挟んでから補強運動は続きます。

ハイジャンプでは全身のバネを活かした動きをしたり、片足立ちでバランス感覚を養ったり、立ったりしゃがんだりを全速力で繰り返して屈伸運動も行ないます。タオルを使った綱引きでは高田先生もキッズの相手をしながら汗を流していました。野外で全力で遊ぶ環境が減ってきた最近のキッズたちにはかなりキツイようでしたが、始めてしまえば楽しくなってしまうもの。今回はいつもの渥見先生ではなく、高田道場出身の子供2人がキッズたちに正しいお手本を見せてくれました。

ここから先はレスリングの技術を一つずつ吸収していくパートです。どんな衝撃でも崩されない正しい構えを学んだら、次はタックルの練習です。ほっぺたを相手の腰につけ、相手の膝の裏をハグで抱き寄せ、胸の上あたりを使って全力で体当たりします。正しい理屈を説明して、実践をしっかり見せてから子供たちが練習に取り組むので、その習得のスピードは驚くほど早いです。その過程で、子供たちだけではタックルをやらないことも重ねて注意します。受け身を習得した大人だから、タックルで倒されてもケガをしないのだということも学びます。

さあ、ここからついにメインイベントです。キッズたちが大人の指導者たちと試合をします。ルールはレスリングの試合と同じで、タックルで倒して相手の両肩を1秒間マットにつけたら勝ちです。「集中して全力でぶつかれば、自信のない子でも1秒間だけなら勝てるかもしれない。勝つまでやろうよ!」高田先生からそんな檄が飛びます。向井先生が「みんな頭のなかでイメージしてみてね。勝てると思う子は手を挙げて!」と呼びかけると多くの子供たちが手を挙げました。

試合開始の笛の音を合図に、2面のマットの上で100名以上のキッズたちがコーチの大人たちに全力で挑んでいきます。子供たちの全力を大人たちも汗だくになりながら受け止めます。キッズたちは全力で先生にタックルすると、素早く跳びかかり両肩をマットにつけようとのしかかってきます。「ほら、もっと全力で!」「まだまだ、もっとスピード出して」「もっと押して!」キッズの元気に圧倒されながら、大人たちは子供たちに指導します。高校生たちは年齢が近いこともあり子供たちに近い目線で楽しみながら指導しています。男の子も女の子も大きな声で「お願いします!」「ありがとうございました!」と挨拶して、目を輝かせながら全力で身体を動かす姿に保護者の方々も目を細めて見守っている姿が印象的でした。親ではない大人に時には厳しく、時には優しく指導してもらうのは、きっと貴重な体験となっていることでしょう。

試合の時間が終わり、向井先生が「先生に勝てた人は手を挙げてください!」と聞くと、キッズたちが全員手を挙げました。高田先生も「こんなに勝ったんだね」と感慨ひとしおの様子。怒涛のトレーニングと試合を終えた子供たちが、最後に取り組んだのが1分間のサーキットトレーニングと50回のスクワットです。疲れているはずの身体を奮い立たせて、子供たちは全力でやりきりました。「ヤッター! イェーイ!」とお互いを讃えて締めくくりました。

高田先生は「みんなとの時間はいい時間でした。あっという間に時が経った素敵な時間でした。それは主役であるキミたちが頑張ってくれたからです。先生との真剣勝負、いい経験だったね」とキッズたちの目を見ながら語りかけました。また来年、この福岡の地でDKCのを開催することを約束してイベントを締めくくりました。

最後に子供たちに「最後に言っておきたいことがある子はいる?」と呼びかけると、「タックルが気持ちよく決まったのでとても楽しかったです」「女の先生が倒しやすかった!」「先生をいっぱい倒せてよかったです」「本当は来たくなかったけど、来てよかった」子供たちは気持ちを素直に吐き出します。勇気を持って手を挙げて発言する姿勢にコーチたちも、保護者たちも拍手を送ります。こんなふうにDKCは子供たちを心身ともに鍛えるイベントです。

次回は6月10日、岐阜県で開催されます。